14-15 UEFAチャンピオンズリーグ Final

2015.06.06 ベルリン オリンピア シュタディオン
1
0-1
3
1-2
モラタ(55分、テベス)
得点
ラキティッチ(4分、イニエスタ)
スアレス(68分、メッシ)
  ネイマール(90+7分、ペドロ)
メンバー
1  ブッフォン(C)
GK
1 テア シュテーゲン
26 リヒトシュタイナー
15 バルザーリ
19 ボヌッチ

33 エヴラ
  (89分 11 コマン)
DF
22  D.アウベス
3  ピケ
14  マスチェラーノ
18  ジョルディ アルバ
21 ピルロ
8 マルキージオ
6 ポグバ
23 ビダル
  (79分 37 ペレイラ)
MF
5  セルヒオ ブスケッツ
4 ラキティッチ
  (90+1分 24 マテュー)
8  イニエスタ
(C)
  (78分 6  チャビ)
9 モラタ
  (85分 14 F.ジョレンテ)
10 テベス
FW
9  ルイス スアレス
  (90+6分 7  ペドロ)
10  メッシ
11  ネイマール
   

        ブッフォン

リヒト  バルザ   ボヌチ  エヴラ

         ピルロ

    マルキ     ポグバ

         ビダル

     モラタ     テベス

布陣

     シュテーゲン

ダニ  ピケ   マスチェ  アルバ

       ブスケ

  ラキティチ    イニ

メッシ           ネイマール

       スアレス

sub
30  ストラーリ GK GK 13 ブラボ
5 オグボンナ DF DF 15  バルトラ
20 パドイン MF   21  アドリアーノ
27 ストゥラーロ   MF 12 ラフィーニャ
ポグバ
ビダル
イエローカード ルイス スアレス
レッドカード
出場停止選手
キエッリーニ
カセレス
戦線離脱中選手

トリカンペオーーーン

・スコア通りの内容
・同点とした時間帯で一気に逆転したかったユーベだったが・・・
・ユーベならブッフォン、バルサならメッシが個人的MOM


って試合でした。


■試合前の状況

遂に決勝です。
どちらも国内リーグ、国内カップを制し3冠を懸けた試合。
つまり最高の状態によるチャンピオン同士のファイナルという事です。
これほど決勝に相応しい対戦が、これまであったでしょうか?
(何回かあったかもねww)


■バルサのスタメンについて

1週間前の国王杯ファイナルと同じメンバーで来ました。
ベンチメンバーも同じ。
つまり予想された18人がベルリンでの戦いの舞台に臨むこととなったのです。
もはや指揮官にも迷いはないでしょう。
ここまで結果を出してきた18人、正攻法の戦いでユーベを倒すのみであります。

ま、何にしてもこの大事な時期に怪我人0っていう状態が素晴らしいよね。
運もあるけど、仕上げてきたフィジコ、ローテーションを採用してきたルーチョは称賛に値します。


■バルサイズム全開の先制点

試合は早々に動きました。
開始5分も経たずにバルサが先制。
(決勝では史上3番目の早さのゴール。1位は04-05のマルディーニ、2位は00-01のメンディエタ)
それも、完璧に崩してね。

メッシがDFを引きつけておいてからの得意のサイドチェンジパス。
これをアルバがダイレクトでネイマールへ落とす。
ネイマールはタメてDF2人をおびき出し中央へスルーパス。
これにビダルのマークを振り切って走り込んできたイニエスタが反応し、決定的な場面に。
ボヌッチは当然イニエスタのチェックに行くしかなかったが、それによって中央のラキティッチは完全にフリーに。
イニエスタがこれを見逃すわけもなく、中央へ優しいパス。
後はラキティッチが流し込むだけでした。

後手後手に回るユーベDFに対して、バルサアタッカー陣は、それぞれが得意なプレーを披露したのみ。
つまりバルサにとっては「何度でも再現出来るゴール」であり、これこそがバルサのDNA、クライフ⇒ペップと引き継がれてきた「バルサスタイル」なゴールでありました。
これをファイナルという大きな舞台で出せたのが非常に嬉しい。
この瞬間、私はね優勝を確信しましたよ。


■主導権を握り前半終了

前半はバルサ的には危なげなかったね。
ハッキリ言って失点する気配は無く、時間が経つごとに優勝を確信していっておりました。
追加点取れなかったのは嫌な感じでしたが、それでも慌てる必要は無いな、と。
ブッフォンがパラドン連発してましたが、いつかは取れるだろう、と。
たとえ取れなくても1-0のまま勝てるだろう、とそう思ってました。

イニエスタのパスは冴え、メッシが右サイドでゲームを作り、スアレスとネイマールは獰猛にゴールを狙う。
優勝はすぐそこの様に感じておりました。


■貴婦人の意地

次のゴールが産まれるとしたらバルサ側だろう。
そんな甘い予測を打ち砕くチカラは、ビアンコネッロの戦士達にも残されておりました。
彼等とて2冠王者。
おめおめと負ける事なんてないですわな。
正直バルサ側も余裕の展開に油断してた面もあると思う。
だって、このシーンは本当に簡単に破られましたもんね。
マルキージオのヒールパスからリヒトシュタイナーが飛び出し、彼から中央へパス。
それを受けたカルリートスが反転シュートを放つのですが、これはテアが弾く。
でも弾いた先が悪くて、モラタがごっつぁんゴールです。
ユーベ側でフリーで居たのはモラタだけで、つまりモラタにさえ転がらなければ失点にはならなかったんですがね。
やられる時なんて、そんなもんか。

いずれにせよテベスに簡単にシュートを許したピケの対応は悪すぎたな(苦笑)


■ユーベの時間、打開したのはやはり大エース

同点となり、ここからしばらくはユーベの時間が続きました。
それまでの余裕の展開とは違って防戦一方となるブラウグラーナイレブン。

やられた、って場面は何度もありました。
やっぱりここにきてもピケの状態は心許なく、簡単に振り回されてましてね。
テベっちゃんが彼得意のゾーンからのシュートを2回ほどミスってくれたから助かったようなものの・・・。
「ユーベ逆転優勝」ってタイトルが脳裏によぎりまくってた約10分間。
そんな負の時間から解き放ってくれたのは、やはり我等が大エースでした。


■ゴレアドールの真骨頂

そういえばユーベの誰かが試合前に
「(あんなスーパーゴールは)ユーベ相手には決められない」
みたいな事を言ってたらしいですね。
あのコパデルレイ決勝のメッシのゴラッソを受けて。
キエッリーニやったかなぁ。

それに対する反発がレオにあったかどうかは不明ですが、あそこまでの4人抜き5人抜きとまではいかなくても独走ドリブルぐらいならどのチームが相手であっても、お手のもの。
それを証明してみせたのが、結果的に決勝点となった2点目のシーンでした。

センターサークル付近でボールを受けてから一気に加速。
守備自慢のユーベDFも枚数は揃ってました。
4バックvsトリデンテ。
なので1人はファウル覚悟でメッシを潰しにいっても良い状況ではあった。
そんなユーベ有利な中でもレオのドリブルは止まらない。
ズルズルとユーベDFを下げる事に成功し、ペナルティエリア直前まで進入。
遂にはブッフォンを脅かすシュートを放ちます。
あの状況からシュートまで持っていける選手自体、実際は中々いませんからね。

このシュートは辛うじてブッフォンが弾きましたが、コボれ球をスアレスが詰めてバルサが再びリードです。
一見モラタ同様に「PUSHしただけ」のごっつぁんゴールにも見えますが、スアレスは"狙って"このポジションに移動していた事がVTRで振り返ると非常によく分ります。
モラタの場合は、本当にたまたま転がってきただけやったけどね。
スアレスは、メッシがシュート体勢に入る前に動き直し、更にそこから全力疾走でゴール前に詰めています。
そこが動きを止めていたエヴラよりも先んじてボールに触れた要因です。
ゴレアドールのゴレアドールたる所以ですよ。

エヴラはね、史上初の4度優勝を逃した選手(UCL決勝出場選手のみの集計)になったって事で試合後話題になりました(3回は結構いて、ダービッツ、デルピエロ、モンテーロ、タッキナルディ、ファンデルサール、マルティーニって感じ。ほぼユーベやねw流石CL最多準優勝チーム(6回)!)が、こういうシーンを観ると彼にも原因があるという事です。
チームの原因だけでなくね。
(ちなみに履歴⇒03-0408-0910-11
そういえば、試合前の握手ってスアレスとエヴラはやったんかな〜。
スアレスは結果的にはピッチの上で答えを出した格好になりましたが。


■ハンド騒動

再びリードを果たしたバルサ。
ですが、1点差じゃまだまだ何が起こるか分らず、だったんですが早々に追加点が決まります。
アルバのクロスからネイマールがヘッド!!!
だったのですが、これはハンドの判定で取り消し。
確かにリプレイで観ると、ネイマールがヘディングしたボールが不幸にも自分の手に当たってるんですよね。
「当たった」ので厳密に言うとハンドじゃないと思うのですが、それによってボールの軌道が不規則となりブッフォンの手に微妙に届かなくなったのも事実。
当たらなかったらどんなヘディングシュートになってたかは定かじゃないけど。
まぁこれはノーゴールの判定になってもしょうがないかな。

そういえば前半にもハンドあったな。
ユーベDFのハンドやったけど、あれは見逃されましたね。
その辺りも含めてのバルサの抗議だったんでしょう。
あっちを見逃すなら、こっちも見逃してよ的なねww


■終演のチャビ

これが正真正銘バルサでのラストゲームとなりました。
それがCLの決勝。
なんと素晴らしい最後でしょうか。

しかも温情交代ではありません。
1点差の状況で、勝つために選ばれた最初の交代なのです。
これが今でもチャビという選手の存在価値を表してますし、私が来季も残ってほしいと思っている理由の1つです。
そして言わずもがなですが、今日の出場でCL出場最多記録(151試合)をまたも更新。
まぁこの記録は来季カシージャスに破られるでしょうが、今季が終わった時点では最多記録なのです。
※いや、イケルの去就も微妙やなぁ・・・。来季のマドリーで試合に出られるのか。移籍したらしたでそれがCL出場チームなのかどうか。
ポルテーロの寿命は長いから来季無理でもその後も可能性はあるけどね。


■最後の攻防

守備的でつまらないサッカーをする事で有名なアッレグリですが、流石にこの状況では動きました。
攻撃的なカードを3枚投入。
DFを削っての入れ替えですから、なりふり構わなさが伺えます。
でもねー、ビジョンが無いのよ、ビジョンがー。
ただ単純に攻撃的な選手入れるだけ、ってのがアッレグリの限界やわ。
後ろの枚数削っても、前にプランが無かったら意味無いのよ。

それにビダルなんかは常に苛立っててドブレアマリージャで退場って可能性がプンプンしてた訳ですから、もっと早めに代えるべきやった。
今日のビダルは、いつものスーパーな選手ではなく、ただの気性が荒いってだけの選手になってたからね。
まぁそれがファイナルのプレッシャーって事なんやろうけど。
ビダルほどの素晴らしい選手でも、これだけの大きな舞台は初めてやろうからね。
そういう意味では優勝経験豊富なバルサイレブンには一日の長があったか。
なんせここ10年で4回目の優勝。
その全てを経験しているイニエスタが(今シーズンは正直あまり良い出来ではなかったにも関わらず今日は)大活躍だったってのも偶然ではないでしょう。


■MOM男イニエスタ

そのイニエスタですが、公式のMOMに選ばれたそうで。
ま、個人的には今日のMOMはメッシだろうと思ってますが、大きく異論があるわけではありません。
これでイニエスタは2010年のムンディアル決勝、2012年のEURO決勝に続き3度目のファイナルでのMOM獲得だとか。
無論それは前人未踏の記録です。
まぁメッシなんかはEUROの出場資格が無いので、「3大大会制覇」は一生叶わないですけどねw

もう1回繰り返しになりますが、やはりファイナルの結果を分けたのはそういった経験値の違いもあるでしょうね。
ここ10年でのバルサの成功と、「有敵艦隊」の揶揄を吹き飛ばしたラロハでの成功。
クラブと代表2つでの勝者の経験が、今日バルサが余裕を持って戦えた要因の1つでしょう。
スタメンだとシュテーゲン、ラキティッチ、スアレスだけやもんねビッグイベントでの決勝経験が無かったのは。
そういう意味で、今日のシュテーゲンのプレーぶりが危なっかしかったのは、ご愛敬と言えます(笑)
やっぱブッフォンの方が断然上やったもんな〜。
アウベスのシュートとか、普通あんなん止められへんで。


■大団円

最後は全員攻撃のユーベFKをクリアしたバルサのカウンターからネイマールが決めて、名実ともにフィニッシュ。
メッシは走るの止めてたのに、ピケは(おこぼれを狙おうと)最後まで全力疾走してたのが笑ったなぁ〜。
いや、勿論その姿勢は大事やでwww
(でも、その前に本職のディフェンスをもっと頑張れと...)

ゴールを決めてユニフォーム脱いで喜ぶネイマール。
主審はもうそれを止める事もなく、そのまま試合終了の笛を吹きました。

カンペオーーネス カンペオーーネス オーエー オーエー オーエー

いや〜、やりましたね。
3冠ですよ、3冠。
トリプレーテですよ、トリプレーテ。
今季スタート前に、こんな結末なんて全く予想してなかった。
ペップが3冠達成した時も、その時のシーズン前はそんな事になるとは思ってなかったけどね。
CLも通算5回目の優勝なのでビッグイアー永久保持!!
そして2度目の3冠達成は、勿論前人未踏!!!
(アウベス、ピケ、ブスケ、チャビ、イニ、ペドロ、メッシが2回経験メンバーか。ま、ペドロは当時はチョロっとしか出てなかったけど)
つまり来季は絶対王者として、諸々の敵と戦う事になります。

いや〜来年の事を言ったら鬼が笑うので、その話はこれぐらいにしておきますか。
なにはともあれ、最後チャビが大耳掲げて終わったんですから、最高のシーズン締め括りですよ。
過去のチームと比べてどうだとか、バルサスタイルがどうたとか、トリデンテ頼りがどうだとか、そんなの関係ねーーーーーーーー。
チャビを最高のカタチで送り出せた事、これが一番なのです。
昨季目の前でアトレティコに優勝を決められた時に「退団を決意した」なんて言ってたチャビがですよ、1年残ってくれただけでも良かったのにトリプレーテのおまけ付きとはね。
昨季あのまま退団ってならなくて良かったよ。
と、同時にプジョルやらバルデスやらも、こんなカタチで締め括りたかったな〜と思ったりも。
ほんまにね、裏口からの退団っていう悪しき慣習はもう終わりにしないといけない。
そして今日チャビが大耳担いでる姿をモデルケースとしなければいけない。
ま、最高のシーズンにはなったけど、とりあえずバルトメウは退任でね。
次のフロントがしっかりしてくれる事を期待しましょう。
とりあえず夏までは、この勝利の美酒に酔いしれますわ〜。

♪カンペオーーネス カンペオーーネス オーエー オーエー オーエー♪