08-09 UEFAチャンピオンズリーグ Final

2009.5.27 スタディオ オリンピコ
2
1-0
0
1-0
エトー(10分、イニエスタ)
得点
 
メッシ(70分、シャビ)  
メンバー
1 バルデス
GK
1 ファンデルサール
   
5 プジョル(C)
24 トゥーレ・ヤヤ
3 ピケ
16 シウビーニョ
DF
22 オシェイ
5 ファーディナンド
15 ヴィディッチ
3 エヴラ
 
 
28 セルヒオ ブスケッツ
6 シャビ
8 イニエスタ
  (90+2分 27 ペドロ)
MF
16 キャリック
8 アンデルソン
  (HT 32 テベス)
13 朴 智星
  (66分 9 ベルバトフ
11 ギッグス(C)
  (75分 18 スコールズ
10 ルーニー
 
 
9 エトー
10 メッシ
14 アンリ
  (72分 15 Se・ケイタ)
FW
7 C・ロナウド
   
        バルデス

プジョル  ヤヤ   ピケ  シウビ

        ブスケツ

     チャビ   イニエスタ

メッシ            アンリ

        エトー

布陣
      ファンデルサル

オセイ  リオ   ヴィダ  エヴラ

    キャリック アンデルソン  

朴智星     ギグス   ルーニー

      ロナウド

sub
13 ピント GK GK 29 クシュチャク
2 M.カセレス DF DF 21 R・ダ・シウバ
46 ムニエサ     23 エバンス
7 グジョンセン FW MF 17 ナニ
11 ボヤン  
ピケ イエローカード C・ロナウド
スコールズ
ヴィディッチ
レッドカード
アビダル
D・アウベス
出場停止選手 フレッチャー
G・ミリート
V.バスケス
マルケス
戦線離脱中選手 ハーグリーブス

予想外の圧勝

カンペオ〜ネス♪カンペオ〜ネス♪オーレーオレーオレーー♪
カンペオ〜ネス♪カンペオ〜ネス♪オーレーオレーオレーー♪

いや〜、最高の締め括りですね。
まさかまさかのペップ初年度での3冠達成。
昨年の今頃こんな事、想像してすらなかったあ。
夢物語でしたよ。
しかし夢は叶うんですね。
全ての道はローマに通ず。
回り回ってペップがローマの地で歓喜の瞬間を迎える事も想像してなかったよ、カペッロに冷遇されてたアノ頃は。

それにしても素晴らしいファイナルでした。
試合開始早々はユナイテッドペースで肝を冷やしましたよ。
栗坊がキレッキレで、バルサに脅威を与え続けてたからね。
こりゃ一方的な展開もありえるか!?と正直思いましたよ。
やはり急造DFラインでは厳しいかと。
言わずもがなですが、アウベス、アビダルが出場停止でマルケス、ミリートが故障。
この状況としての選択肢としてペップは、プジョル、ヤヤ、ピケ、シウビーニョの4枚をチョイスした訳ですが、実際の試合で彼等が組むのは初めてですからね。
ぶっつけ本番の相手がユナイテッドってのはリスク高過ぎやったか、やっぱり、っと思ってましたよ。
ところがバルサに先制点が入った事によって、試合の流れは大きく変わりました。
イニエスタの中央突破から最後はエトーがヴィディッチを切り返しでかわしてゲットゴール。
ここ最近のリーガ2試合でチャンスを外しまくり、ピチーチ争いではフォルランに抜かれてしまい精神衛生上よろしくなかったであろうエトーさんが大一番で決めてくれました。
これはリーガでの30得点と同じぐらい価値ありますよ!!!!

この1点が今振り返ってみると大きかったよね。
この時点では「1点ぐらい直ぐに返されてしまう。90分間完封は不可能だろう」って思って全く気が抜けなかったのですが、実は1点以上の価値がありましたよ。
というのも、このゴールを境に中盤でパスがポンポン回せるようになりました。
それこそ余裕でね。
ブスケツ、チャビ、イニエスタのカンテラーノトリオからなる中盤の構成は、完全にユナイテッドのそれを上回っていました。
ここで勝てたのが大きかった。
つまりバルサの強みを存分に発揮出来た訳ですよ。
こうなると負ける気がしない。
チェルシーみたいにガッチガチに守られたらキツかったけど、ユナイテッドは方向性こそ違えど攻撃性を志向しているので、ある意味戦い易かった。

バルサの正確なパス回しをユナイテッドが追いかける展開が続きます。
こういう状況ではDFラインが急造だろうが、アンリとイニエスタが怪我明けだろうが関係無いからね。
あとは2点目さえ取れれば試合は決着します。
しかしその2点目はそうそう簡単には入りません。
チャビのFKがポストに弾かれた時は悪い前兆か、と不安にもなりました。
でもファイナルってのは、珍しい事が起きるもんです。
今季得点を量産したメッシですが、ヘディングでのシュートは入る予感すらありませんでした(確か1点ぐらいしか取ってないハズ)。
本人も改善事項に上げてたぐらいフリーでも中々決められなかった。
それが、ですよ。
それがこの大事な大事な決勝の舞台で決まるんですから・・・。
フットボールってのは、おもしろいね。
勿論チャビのクロスも完璧だったし、メッシのポジショニングもパーフェクト。
でもそんなシーンはこれまでも何度か観た事があります。
それでも入らなかったシュートがね、入っちゃうんですよ。
いや〜、オモシロい。

まぁこの2点目で勝利を確信しました。
ユナイテッドはベンチにベルバトフ、テベスという強力な攻撃の切り札を持っていましたが、この試合に関してはむしろ彼等を入れてくれた事によって楽になりました。
だって前線に4枚並べたわりには全然放り込んでこなかったんですもの。
泥臭くやってくるチームを非常に苦手としてるんでね、我がバルサは。
その点で大いに助かりました。
しかも4-2-4みたいになってるから、中盤はガラガラ。
余計にバルサの中盤はやりたい放題、って感じで全然余裕で観てられました。
ベルバトフは攻撃の組み立てが上手いし、テベスは何も無い状況から予測不能なゴールを決められるし、で非常に厄介だと思っていたんですけど、この試合では安全牌でした。
それにバルサDFは、「メンバー欠けてるし、いつも通りやってたらヤバイ」っていう危機感があってかあらずか、いつも以上に集中してたしね。
今季は少し不安定だったプジョルも、この試合では守り、気合い共にパーフェクトだったし(抜け出してのループシュートが決まってりゃ120点!)、シウビーニョもラストマッチに燃えてたのか危ない場面が無かったです。
試合終了後、メッシと抱き合って涙してたシウビーニョを見るにつけ、もらい泣きしそうになったわ・・・。

っつう訳で、バルサ2年間の苦悩を経て見事に復活を果たせました!!!!!
カンペオ〜ネス♪カンペオ〜ネス♪オーレーオレーオレーー♪
カンペオ〜ネス♪カンペオ〜ネス♪オーレーオレーオレーー♪

終盤イニエスタをオベーション交代(しかしなんでペドロちゃんやったんかな?ボヤンは来季へ飢えを残しておく作戦??)出来る程に余裕の展開になるとは、試合前全く想像だにしていなかったので、試合終了後の爆発的な喜びはチェルシー戦に比べると自分の中では薄かったけど(いや、あの劇的勝利と比べたらアカンな。アレとの比較やと全部アウトや・・・。)、結果こそが全てのファイナルで内容も結果も抜群だった我がバルサにクレの1人として非常に誇らしい気持ちです。
そういう意味でも勝因はやはりイニエスタが間に合った事に尽きるね。
これが一番大きかった。
今季の伸び率としてはピケが一番大きかったと思いますけど、ドンも高い次元でグングン伸びてますよね。
これは来季も楽しみ過ぎるよ。
トリプレッテ達成しちゃうと来季目標無くなるし、良い内容のフットボールが出来れば結果としてユナイテッドにスコアの上で負けたとしても納得しよう、なんて試合前は思ってましたけど、やっぱり内容も結果も良い方がイイに決まってる!!!
アカン、めっちゃ嬉しい。
やっぱユナイテッドに勝てたのが嬉しい。
なんだかんだで、バルサがリーガで圧勝してるのはリーガのLVが低いからだ!みたいな声があったじゃないですか。
そりゃプレミアは今隆盛を極めてますよ。
これは偽らざる事実でしょう。
でもだからといって、バルサがプレミアビッグ4に劣るって理屈は通らないやろ!!って思ってたので、この勝利は非常に嬉しい。
プレミアで連覇を達成中の王者に勝ったんですから、誰も文句は無いでしょ。
見たかゴルァァアァァ!!!!って感じ。
しかしだからといって、10回やって10回ユナイテッドに勝てるとは言いませんよ。
少なくとも今日は完勝やったけど、次もそうなるとは限りません。
だから連覇って難しいのよね。
来季は目指せ2年連続トリプレッテ!!!!!!!!!

P.S.翌日のJ Sportsでの再放送まで待てず、気合の生観戦。
しかも民放で・・・。
まぁ今の感想としては、やっぱり生で観とくべきだったと思います。
でも生でスカパーやったら、もっと最高やったやろうなぁ。
生でローマやったら、もっともっと・・・。
風間の糞解説は想定の範囲内だったので、まぁ良いですけど表彰式観られなかったのがイタかった。。。
余韻に浸りながら、このレポ書こうと思ってたのにね。

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2年ぶりに試合を見返しました。
そうです、明日がいよいよチャンピオンズ決勝というタイミングでね!!
言うまでもなく相手は再びのユナイテッド。
舞台はウェンブリー、って事で久々にこの試合をもう1回観てみようという思いに至ったわけです。

いや〜、結果わかってても痺れる試合ですわ、やっぱり。
それと今回はクラッキー&タツジンの黄金コンビで観たんですが彼等の進行が味わい深くて良かったしね。
やっぱり。
民放とは雲泥の差ですわ。
表彰式も最高やったし、試合前の雰囲気も最高でした。
CLアンセム歌ってたアノおっちゃんも素晴らしかった!!

さて、それでは試合全体を振り返ってみますか。
記憶と違う所もあれば、ピッタリな所もあって、それはそれでオモシロかった。
記憶通りに序盤はバルサが手も足も出ずガンガン攻められてましたね。
チャビ、イニエスタがボールにも触れず、っていう深刻な状況。
あそこでロナウドに決められとったら惨劇のローマとなっていた事でしょう。

しかし、ご承知の通りイニエスタの突破からエトーが先制点を決めた事によって状況は一変します。
ここまでガラッと変わるか!?ってぐらいに変わりましたよ。
改めて、これは衝撃やった。
そしてこれは今回のファイナルへの教訓とせねばなりませんね。
つまり当時はユナイテッド有利な中での試合でしたが、今回は下馬評ではバルサ有利となっております。
多分その通りにバルサが押し込む展開にはなるでしょう。
でもたった1つのプレーで優劣が逆転する、って事があるのです。
この試合のように。
だってエトーの得点前なんて、全くゴールの予感すら無かったからね。
そろそろゴールが決まる、って判って観てるにも関わらずですよ。
こういう事もあるので油断禁物、慢心禁物なのです。

記憶違いだった点としてはユナイテッドのポゼッション率が意外と高かった事。
バルサが先制して以降ゲーム自体も支配していた、ってイメージがあったのでポゼッション7対3ぐらいやと思ってたんですよ。
ところがどっこい、後半の終わりあたりでも52対48とかそんなんやったからね。
パスの総本数も、あんまり変わらなかったし。
これは結構ビックリしました。
ただ内容としては、ユナイテッドはDFラインでのパス回しが多く、一方のバルサはチャビ、イニ、メッシによるトライアングルでのパス交換が多かったんだけれどもね。

あと↑のレポでは、そんなに触れてないけどイニエスタは絶品でしたよ。
もっと絶賛するべきでしたよ、当時も。
金子さんが褒めまくってたので感化されたのかもしれないけど、ピッチ内で別格でしたね。
パス1つ、トラップ1つ取っても全然次元が違った。
そういえば、この試合後にルーニーが「イニエスタが素晴らしかった」的な発言してましたけど、それも当然です。
間違いなく、この試合のMOMですわ。

それからメッシのポジショニングについても。
↑のフォメ図では右WGの位置にレオを書いてますが、前半開始5分ほどでエトーとポジションチェンジし、その後はず〜と中央でした。
エトーとアンリはサイド入れ替えたりもしてたけど。
当時もメッシの中央起用ってのは話題になってたので、このレポでも触れても良かったと思うんですが全く触れてないよね。
今となってはデフォルトで中央なメッシさんですけど、当時はまだオプション的な感じやったから。

ポジション話ついでに、ユナイテッドのポジショニングについても。
前半は↑図の通りでしたが、後半からテベス投入と共に若干変化がありました。
前半プジョルに圧倒されてたルーニーは朴智星とサイドを交換。
テベスはトップに(一応)入りました。
でも結果的には上手くいかず。
ルーニーは右に回ってもシウビーニョの牙城を崩せず、テベスもロナウドの代わりに守備に走り回る事に・・・。
ベルバトフが入ってからは、流石にロナウドが左に回り中央ベルバトフ&テベス、右ルーニーになりましたけどね。
でもこれも悪循環でして、守備に回らされたロナウドはプジョルに対してラフプレーを連発。
挙げ句の果てにチャビをほったらかしにして、2点目を献上。
ファギーの策は最後までよくわかりませんでしたな。

でもファギーは試合後に完敗を認めてたから素晴らしいよね。
しかも中盤での負けもアッサリと自分から言ってたし。
このへんは審判(やUEFAはたまたユニセフまで!)のせいにして敗因から目をそらさせようとしてきたモウリーヨとは全く違いますわ。
明日のファイナル、勝っても負けても気持ちの良い戦いになりそうで何よりですわ。