14-15 UEFAチャンピオンズリーグ SF 1st leg |
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2015.05.06 カンプ ノウ
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3
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0-0
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0
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3-0
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メッシ(77分、アウベス) |
得点
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メッシ(80分、ラキティッチ) | ||||
ネイマール(90+4分、メッシ) | ||||
メンバー
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1 テア シュテーゲン |
GK
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1 ノイアー | ||
22 D.アウベス 3 ピケ 14 マスチェラーノ (89分 15 バルトラ) 18 ジョルディ アルバ |
DF
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5 ベナティア 17 ボアテング 13 ラフィーニャ |
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5 セルヒオ ブスケッツ (82分 6 チャビ) 4 ラキティッチ 8 イニエスタ(C) (87分 12 ラフィーニャ) |
MF
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3 シャビ アロンソ 6 チアゴ 18 ベルナト 21 ラーム(C) 31 シュヴァインシュタイガー |
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9 ルイス スアレス 10 メッシ 11 ネイマール |
FW
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25 ミュラー (79分 19 ゲッツェ) 9 レバンドフスキ |
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シュテーゲン ダニ ピケ マスチェ アルバ ブスケ ラキティチ イニ メッシ ネイマル スアレス |
布陣
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ノイアー ベナテア ボアテン ラファ アロンソ チアゴ ベルナト ラーム シュバイニ ミュラー レバンド |
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sub
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13 ブラボ | GK | GK | 23 レイナ | |
21 アドリアーノ | DF | DF | 4 ダンテ | |
23 ヴェルメーレン | MF | 8 ハビ マルティネス | ||
7 ペドロ | FW | 16 ガウディーノ | ||
30 ウェイザー | ||||
FW | 14 ピサーロ | |||
D.アウベス ピケ ネイマール |
イエローカード | シャビ アロンソ ベルナト ベナティア |
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レッドカード | ||||
出場停止選手 | ||||
マテュー | 戦線離脱中選手 | バトシュトゥバー アラバ ロッベン リベリ ローデ シュタルケ |
メッシの一振り
・終盤に圧巻の3ゴール。主役はメッシ
・飛車角落ちのバイエルンだがポゼッションでは勝利
・後世に語り継がれる名勝負
って試合でした。
■試合前の状況
夢の対決が実現です。
バルセロニスタならずとも「バルサvsペップ」というのは全世界注目の対決です。
それをCLの準決勝で実現ですよ。
UEFAさん仕込むね〜。
バイエルンとしては余裕でブンデス優勝を決めた後なので、CLに専念出来る状況。
一方のバルサはLigaでマドリーと激しいデッドヒートを展開中。
怪我人の状況ではバイエルンが不利だが、日程のハードさで言えばバルサが不利か。
■バルサのスタメンについて
という中でのバルサの11人。
予想通りの鉄板イレブンを並べてきました。
直前のLigaからの変更箇所はポルテーロのみ。
どっちも落とせない試合やからしゃーないねんけど、試合終盤に疲労がどれぐらい出てくるかが気掛かり。
尚、ついにヴェルメーレンがメンバー入りしました。
長らく負傷が回復せず入団以来ベンチにすら入った事無かったのですが、ようやくです。
この大一番でいきなり出番、って事は無いでしょうがね。
それでも他の選手ではなくヴェルメーレンを入れたのは、ルーチョなりの士気高揚作戦かな。
チーム全員で戦ってるんだぞ、っていうね。
■驚きの3バック
ペップは何かやってくるだろうとは思ってました。
バルサ時代も大一番になればなるほど何か仕掛けてきましたからね。
で、それが今日は3バックだったのかな、と。
本来右SBのラフィーニャが左サイドに居たので、あれ?と思ったのが最初の違和感。
セットプレーとかの流れの中で逆サイド来てるんかな〜、左SBはベルナトおるしな〜。
って思ってたら、ずっとラフィーニャ左におる。
んじゃぁ右SB誰やってんの?ラーム??って観てたら、右は誰もおらん。
って、これ3バックやないか!!
ラフィーニャが左CBの3バックやないか!!!
いやー、面白いねペップは。相変わらず。
右サイドは主にチアゴがケアしてたけど、そこも流動的でね。
前線も右ミュラー、左ベルナト、真ん中レバの3トップっぽく見える時間帯もあったし。
なので↑の布陣は、あくまでも一例です。
基本的に3バック以外は皆さん活発に動いてポジションチェンジしてました。
■15分を経て3バックに見切り
じゃぁその3バックは機能していたのか?
正直そうは思えませんでしたね(苦笑)
実際ペップも15分を過ぎたあたりで従来の4バックに戻しましたし。
とにかく最終ライン付近にスペースありまくりでしたからね。
並のチームなら「名ばかり3バック」で実際は5バックってケースが往々にしてあるのですが、ペップバイエルンは完全に3バックでしたので。
そりゃぁスペース出来ちゃうよ。
そしてそこをバルサ自慢の南米トリデンテが突くよ、って事でノイアーがいなければ失点してたであろうシーンもあったしね。
ペップは見切りをつけて正解だったと思います。
以降は↓みたいな感じ
ノイアー ラファ ベナテア ボアテン ベルナト アロンソ ラーム チアゴ シュバイニ ミュラー レバンド |
言わずもがなですが、これもあくまでも一例。
■ポゼッションのバイエルン
ペップバイエルンの試合を観るのは初めてではないので、ある程度は予想がついていた事です。
しかしながら、それでもポゼッションやパス数ではバルサを上回らないだろう、と思っていました。
ところがどっこいペップは違いましたね。
こちらの想定なんて遙かに上回ってきますよ、彼は。
90分を終わってからのスタッツですが、ポゼッションは47%:53%
パス数は448本:556本。
まぁポゼッションは微々たる数字だったので良いんですけど、問題はパス数やね。
まさか100本以上も上回ってくるとはな!!!
確かに試合中もパスを回しまくるバイエルンに対して、バルサはシュートまで急ぐ場面が多かった。
その結果がシュート数(19本:11本)の差に出てるんでしょうがね。
にしても、100本以上差があるとはな・・・。
ちなみにバルサがCLでボールポゼッション負けたのは96試合ぶりだとか。
(2006年12月のブレーメン戦以来)
公式戦で言うと、2013年9月のラーヨ戦(Liga)以来。
で、今日の試合も含めて3試合ともバルサが勝ってるってのがオモロいよね。
ポゼッションを指向してるバルサなのに、ポゼッションで負けても試合には勝ってるってのが。
■神がかるノイアー
バルサのチャンスを悉く潰したのはノイアー。
間違いなく、この試合のバイエルンのMOMです。
まずキャッチングが素晴らしいよね。
わりと強いシュート、難しいシュートでも難なくキャッチングしてくる。
あれをされるとシュート撃つ側としては、コースを狙わなければとか強く撃たなければとか考えちゃいそうですよね。
そして結果外してしまう、と。
後は飛び出しが素晴らしかった。
ネイマールへのスルーパスをカットした場面が白眉。
あれはノイアーの姿が見えた瞬間、戦慄を覚えましたよ。
「ノイアーなら出てくるかも」と少しは思ってましたが、その反面「これはノイアーでも無理だろう」っていう意識もあったのでね。
あれをカットされては、パス出す方としてはキツイ。
GKは「11人目のフィールドプレーヤー」なんて言われますが、ノイアーの場合はリベロもこなすGKって感じなので、実質12人を相手にしてる錯覚にすら陥る。
そんでもって1対1の強さね。
わりと開始すぐだったスアレスとの1対1を片足1本で止めてみせ、カンプノウを黙らせました。
あれが決まってたら、その後の展開随分変わったやろうからね。
その後もアウベスとの1対1止めたしな〜。
■神がかるノイアーを上回る神の子メッシ
そんなノイアーを攻略するのは難しいように見えた。
ある程度チャンスは作っていたものの、得点となるとハードル高いんかな〜って感じでしたからね。
ボールポゼッションが出来ない事もあって、完全に崩すまでには至ってなかったし。
というような流れを一変させたのが、やはりエース・メッシ。
エリア外からの強烈なショットはニアをブチ抜き、さしものノイアーも止める事が出来ず。
ウェンブリーでのファイナル(ユナイテッド戦)を彷彿とさせるゴールでした。
ゴール後の喜び方も、あの時と同様に興奮したもの。
やっぱり普段のゴール後の喜び方とは全然違います。
今の若さにして全てを勝ち取ったとも言えるメッシ。
彼が真に興奮出来るのは、こういうステージの試合しか残ってないんでしょうな。
■もはや神メッシ
興奮の坩堝と化したカンプノウ。
でもメッシSHOWは、これで終わりではありませんでした。
1点目から3分後、今度は綺麗なバセリーナでノイアーを攻略してみせます。
しかも右足でね。
ボアテングをワンフェイクで抜き去ってからノイアーの間隙を突くまでの一連の流れは、正に神。
もはや「神の子」ではなく「神」ですよ、メッシは。
ボアテングが転がってしまうシーンは、今後何十年もリプレイされる事でしょう。
それぐらいに一連の動作に無駄はなく、また「左足で巻いてファーサイドにシュートを撃つ」といういつものプレーも良い伏線になってました。
いや〜、鳥肌立ちましたね。
■3点差でも安心は出来ない
ロスタイムにはカウンターから、スアレスが粘り、メッシが繋いで、最後はネイマールが抜け出してゲット。
トリデンテのカウンター発動は今季何度かありましたが、その究極形が最高の舞台で出ましたね。
ゴール後には抱擁を繰り返したネイマールとメッシ。
うん、喜びは分かる。
分かるが、全く油断は出来ないのだよ。
3点差じゃね。
R-16ではシャフタールを7-0。
QFではポルトを6-1で虐殺した難攻不落のアリアンツアレーナ。
シャフタールにしても、ホームでの1st legは0-0だったんですよ。
つまりアリアンツでアウェイゴール取ったら引き分けでも突破出来る、と希望を抱いてのミュンヘン遠征だったのです。
ポルトはもっとやね、ホームで3-1で勝ってたので。
そんな彼等の夢を粉々に打ち砕いてきたアリアンツ。
バルサ相手に4-0でバイエルンが勝ったとしても、奇跡でも何でもないのです。
実際今日も"ロッベリー"抜きでパスサッカーは実践出来た訳ですし。
枠内シュート0本に終わったとはいえ、最初のレバンドフスキのチャンスに決められてたら、こんな結果になってなかった。
レバンドフスキが怪我上がりっていう幸運もあったのです。
喜ぶのは今日だけにして切り替えないと、一気にクライシスはやってきます。
そう、例えば週末のソシエダ戦を落とし、アリアンツでも負けるなんて事になったら一気に2つのタイトルを失い「クライシス、クライシス」と叫ばれてしまう訳ですから。
イダで勝利し、喜びすぎてブエルタを落とすなんてチームは過去数え切れないぐらい見てきました。
バルサもミラン相手にそれを演じた事もあるしね。
ミュンヘンでも勝つ気持ちで戦わないと、ベルリンへの道は開かれないのです。