06-07 UEFA チャンピオンズリーグ グループA 第6節

2006.12.5 カンプ ノウ
2
2-0
0
0-0
ロナウジーニョ(13分、直接FK)
得点
 
グジョンセン(18分、ジュリ  
メンバー
1 V・バルデス
GK
18 ヴィーゼ
   
11 ザンブロッタ
4 マルケス
5 プジョル(C)
12 ファンブロンクホルスト
DF
8 フリッツ
29 メルテザッカー
4 ナウド
5 ウォメ
  (80分 14 フント
 
 
3 モッタ
  (62分 21 テュラム)
24 イニエスタ
  (73分 6 シャビ)
20 デコ
MF
22 フリングス(C)
20 D・イェンセン
24 ボロウスキ
10 ヂエゴ
 
 
7 グジョンセン
8 ジュリ

  (85分 18 エスケーロ
10 ロナウジーニョ
FW
11 クローゼ
23 H・アウメイダ
  (71分 17 クラスニッチ
   
          バルデス

ザンブロ  マルケス   プジョル  ジオ

          モッタ 

    イニエスタ     デコ

 ジュリ            ガウショ

        グジョンセン

布陣
         ヴィーゼ

フリッツ  メルテ   ナウド  ウォメ

        フリングス 

    ダニエル     ボロウスキ

         ヂエゴ

     クローゼ    ウーゴ

sub
25 ジョルケラ GK GK 1 ラインケ
2 ベレッチ DF DF 3 パサネン
15 エヂミウソン     16 アンドレアセン
23 オレゲル     27 シュルツ
MF 7 ヴラニェス
プジョル
モッタ
イエローカード ウォメ
フリングス
ヂエゴ
レッドカード
出場停止選手
エトー
サビオラ
メッシ
戦線離脱中選手 ジダン
バウマン
ジダン

ギガクラックの証明

決戦です。
何人もの選手が「ファイナルだ」と口にしていましたが、正にそう。
これはファイナルです。
今シーズンのここまでの試合の中で一番重要な試合です。年内でも最も重要な試合です。

バルサは勝利以外に道はありません。
ブレーメンは引き分けでもOK。しかしチームのプレースタイルから考えても「引き分け狙い」なんてサッカーは出来ません。
これはおもしろくなって当然の試合なのです。

しかし予想に反して序盤はガチガチでした。
緊張しまくり。ブレーメンもバルサも。
そりゃこれだけ大きな試合ですからね。
いつになくクレの出足も早かったし、「SOM・HI TOTS!」 なんて巨大モザイクを作ったりもしてましたからね。
でもそんな試合だからこそ、目立つ選手がいるのです。
最悪なピッチコンディションの時の方が上手い選手が際立つ様に、プレッシャーのかかる時こそ「誰がクラックか?」ってのが浮き彫りになります。

そしてそれは紛れも無くロナウジーニョでした。

いや、実に素晴らしいプレーでした。
前述した様にピッチ上にはガチガチの人間ばかり。
選手も審判も含めてです。
でもこの男だけは違ったのですよ。
背中を使ってダイレクトでの後方へのパス、いつも通りのノールックヒールパス。
これらの一連のプレーで観客だけでなくチームメイトをも暖める事に成功しました。
プジョルが「気合い」で引っ張るタイプの主将だとしたら、ガウショは「楽しさ」で引っ張るタイプの主将ですね。
でも「楽しさ」ってのは、あくまでも結果が伴わないと意味がありません。
結果も残せる所がガウショの凄い所なんです。
前半13分、歓喜の瞬間は早くも訪れました。

自ら得たFKを直接ゴール!!!
沸騰カンプノウ!!!絶叫オレ!!!!

このシュートこそ「楽しさ」と「結果」が伴っている象徴と言えるでしょう。
こんなビッグマッチで壁の下を狙いましたからね。
今まで蹴って来た何百本というFKをフェイントに使いました。
この発想力。この意外性。そしてそれを笑顔でやってのけるのが素晴らしい。
くどいけど、尚且つ結果が着いてきとる。

ガウショ劇場はこれだけではありませんでした。
衝撃のFKから僅か5分後。今度は完璧なお膳立てを行います。
ジュリへのパーフェクトなサイドチェンジパス。
ジュリが対面のウォメの裏へ走り出すタイミングとガウショがパスを出したタイミングが見事にシンクロしました。
ついに戻って来た!!ジュリもガウショも。
昨季のミラン戦(@サンシーロ)を彷彿とさせるコンビネーションです。

もうこのパスだけで決まりました。
この後はジュリの素晴らしいトラップからの丁寧な折り返しをグジョンセンが「ど」フリーでネットに叩き込んだだけ。
これで2-0。
実際安全なスコアでは無いですけれども、私の中では完全に勝負アリ、となった瞬間でした。

やっぱりね、2つ共ゴールの内容が素晴らしかったもん。
どんな1点でも1点は1点、って意見もあると思います。
かのファンバステンは「9本のスーパーゴールと10本の平凡なゴール、どちらかを選べというなら僕は迷わず10本の方を選ぶよ」みたいな名言を残してます。
いやこれは実にファンバステンらしい言葉なんで個人的には好きなんですが、少し違うと思うんですよ。
9本のスーパーゴールの方が10本の平凡なゴールよりも相手に与えるダメージは遥かに大きいと思います。
そりゃ理論上は「9対10」なんですから10の方が良いに決まってるんですが、そうじゃないと思うんですよ。
精神的なダメージとかプレッシャーとかは目に見えないものですからね。
いつも自由奔放なブレーメンが、何故こんなに緊張してるのか?
想像してみたんです。
そしたら先日のビジャレアル戦でのガウショのオーバーヘッドシュートが思い出されました。
もう何回もドイツでも報道された事でしょう。
それ以外にもエラシコのシーンとかも幾度と無くね。
外野は「引き分けでも良い」なんて言いますが、"聖地"カンプノウで勝ち点を取る事がいかに難しいか、またガウショのコンディションが9月の頃からどれぐらい上がっているか、同じ選手の立場から見て感じるモノがあったと思うんですよ。
レベルが高い人間ほど相手の強さを見抜くのも早いと言います。
ブレーメンは今のバルサの実力を推し量った上で厳しい戦いが想像出来たからこそガチガチになってしまったのではないか?
「こんな奴と戦わなくてはいけない」そう思ってしまった時点で既に結果が決まっていたのではないか?
そう思いました。

その上での2ゴール。しかもファインゴールですから、私の中では「決まった」と思った訳です。

実際20分以降のガウショは適度にチカラを発揮する「省エネモード」に突入していました。
ジュリやグジョンセンが超絶決定機を1本でも決めていたら確実に試合は終わっていたでしょう。
慎重に戦わざるを得ない展開なのでバルサは相手にボールを「持たせる」戦い方を選択。
カンプノウで最終的なポゼッションを負けるなんて事は殆ど無いですからね。
でもただ結果だけが求められてる試合であり、既に前半20分で試合を決めた事もあってバルサはそういう戦い方を選択しました。

途中モッタがいつもの悪癖から退場になりかけバタバタしたシーンもありましたが、それもテュラムを入れる事で何事も無かったかの様に解決。
ブレーメンも流石の地力を発揮したのですが"ユーベライン"を破る事は叶いませんでした。

まぁ何はともあれ、無事勝ってホントに良かったよ。
こういう大きな試合に勝てるのが真のチャンピオンです。
まぁこういう事態になるのはチャンピオンらしくないとも言えますがね。。。。
ただ自ら作った山にしても、これを乗り越えたのはこれからのシーズン後半に向けて加速の材料になると思いますよ。

ブレーメンはこの段階で姿を消すにはあまりに惜しい存在ですが、こういう「死のグループ」ってのは必ず存在しますからね。
運の無さを嘆くしかないでしょう。

<バルサイレブン一言寸評>

バルデス:危なげないセービングでブレーメンを完封。見切ったシュートがポストに当たった場面ぐらいですかね、ヒヤっとしたのは
ザンブロッタ:攻守に「大人のプレー」を披露。ビッグマッチ慣れしてます
マルケス:怪我上がりだったが問題無くプレー。モッタが下がってからは久々にピボーテでプレー
プジョル:いつもの4割増しぐらいで気合い出てたよ。
ジオ:ガウショのテンションによりプレーを使い分けてたのが流石
モッタ:ハイパフォーマンスなチームの中で1人だけ悪い意味で目立ってしまった。審判に助けられロハは回避出来たが。。。
イニエスタ:絶好調!絶好調!!絶好調!!!でも怪我で途中交代。心配。。。
デコ:カウンターからの独走ドリブルがハイライト。ビッグマッチに相変わらず強い
グジョンセン:足元の技術の高さを魅せたドリブル突破に「ごっつぁん」ゴール。責務を果たしました
ジュリ:前半途中までは最高のプレーぶり。MVP。ウォメを浸食し続けていました。でも決定機を外してからはトーンダウン
ロナウジーニョ:一流と呼ばれる選手達とも格が違う、って事を証明


テュラム:投入されただけで守備のリズムが著しく改善された。ルーズボールへの反応が出色
チャビ:気合いの表情が写し出されただけでボルテージはK点越えですよ。それはオレだけじゃなくカンプノウでも同じだったと思われ
エスケーロ:出場時間短く、1本スルーパス出したぐらい

興奮度:80%

MOM:ロナウジーニョ