06-07 UEFAチャンピオンズリーグ グループG 第5節 

2006.11.21 エミレーツ スタジアム
3
0-1
1
3-0
ファンペルシ(52分、セスク
得点
ラフィ(4分、マハダビキア
エブエ(83分、ウォルコット  
バチスタ(88分、ウォルコット  
メンバー
1 レーマン
GK
1 ヴェヒター
   
27 エブエ
5 トゥーレ
6 センデロス
22 クリシ
DF
30 ベンジャミン
4 ラインハルト
5 マタイセン
3 アトゥバ
  (67分 38 リュボヤ)
 
 
4 セスク
16 フラミニ
13 フレブ
  (81分 9 バチスタ)
8 リュングベリ
  (75分 32 ウォルコット)
11 ファン ペルシ
  (70分 25 アデバイヨル
MF
6 ヴィッキー
  (87分 11 ラウト)
23 ファンデルファールト(C)
7 マハダビキア
  (45+1分 33 ファイルヘイバー)
15 トロホウスキ
13 フィリンガー
 
 
14 アンリ(C)
FW
17 サノゴ
   
        レーマン

エブエ  トゥレ   センデ  クリシ

     セスク   フラミニ   

フレブ    リュングベリ   ペルシ

        アンリ

布陣
        ヴェヒター

ベンジャ  ライン   マタイ  アトバ

     ビッキー   ラフィ

マハダ    トロホウスキ   フィリン

         サノゴ

sub
24 アルムニア GK GK 12 キルシュシュタイン
20 ジュルー DF MF 14 ヤロリーム
31 ホイト     27 ラース
19 ジウベルト シウヴァ MF FW 22 ベリシャ
センデロス
フレブ
アンリ
クリシ
イエローカード ベンジャミン
ファンデルファールト
サノゴ
フィリンガー
レッドカード
出場停止選手
ローレン
ディアビ
ロシツキー
ギャラス
戦線離脱中選手 ギ ドゥメル
デヨング
ソリン
コンパニ
クリンクバイル

アンリ依存症からの脱却

プレミアで勝ち切れない試合ばかりしているガナーズ。
それはCLでも同じで、独走が予想された戦前とはうって変わって、最終節まで突破が決まらない状況になってます。
つまり敗退の可能性もある訳です。
最終節敵地でのポルト戦が鍵になってくるので、この最後のホーム戦で負ける訳にはいきません。しかも相手は既に敗退が決まっているHSVです。
HSVの状態はガナーズと比較にならない程にボロボロです。今季公式戦21戦で僅か1勝のみ。勿論ブンデスでも降格圏内を彷徨っています。
なのでカナーズはこの試合「勝利」が絶対条件なのであります。
それなのに先制点をガナーズは奪われちゃいました。しかも開始4分。ラフィのミドルは素晴らしかったですが、それ以上にガナーズDFが脆い。
なんかプレミアでもこんな展開ばっかりらしいですね。何が悪いのでしょうか?アンリの1トップで攻撃の幅が広がらない?確かにそれはあります。アンリは基本的にサイドからの切り崩しを得意としているので、必然的に中央は薄くなってしまいます。つまり相手に脅威を与えれません。
でも「アンリ1トップ」ってのは昨季のCLでの成功例な訳ですよ。だからシステムが悪いとは思えない。じゃぁ昨季と何が変わったのか??それはアンリのパフォーマンスでしょう。昨季は完全に王様でしたからね。ピッチ上で一番輝くプレーを披露し続けました。今季が悪いというより昨季が良すぎ。それに今季は、まだシーズン序盤でコンディションが上がり切ってないってのもあるし。
つまりアンリのパフォーマンスに左右されるチーム状態が問題な訳ですよね。
そんな問題を解決出来ないまま前半終了。
リードされた状況で迎えた後半、ベンゲルは動いてきます。
伊達に10年もロンドンに住んでません。まずは人では無くシステムを変えてきました。4-2-3-1、4-3-3的な感じだった前半からガナーズ伝統の4-4-2へチェンジ。ユンベリを左に開かせ、ファンペルシーをアンリとのコンビに指名しました。
これによりサイドのスペースを得た病み上がりユンベリは水を得た魚の如く動きまくります。ファンペルシもオランダ人らしい万能さを披露し、ポジションチェンジから僅か7分後に同点弾を記録。
セスクのスルーパスも完璧でしたが、そのパスに対する受け方、フィニッシュの際の冷静さも抜群でした。
ベンゲルの策はひとまず成功したかに見えました。ある程度調子の良い時なら同点に追いついた勢いそのままに逆転、ダメ押し、といけるのですが、今のガナーズはそんな状態にはなってません。
追加点を奪う為には更なるカンフル剤が必要だったのです。
この日そのカンフル剤になったのがウォルコットでした。この17歳がホントに抜群でした。終了間際で全員が疲れてる、ってのもあったけど少年のスピードを止めれる者はピッチ上に存在してませんでした。もうキレキレ!!
なんちゅうポテンシャルでしょう。
最初はユンベリと交代したので左サイドに入ったのですが、フレブが退いてからは右サイドへ移動。もうそこからは独壇場でした。逆転弾、ダメ押し弾も勿論この少年が起点となりました。
エブエのゴールは一見エブエの個人技の様に見えますが、その個人技を発揮出来たのもウォルコットの右サイドでの存在の大きさが挙げられます。
「アンリ頼み」からの脱却のバリエーションを披露してくれたこの日のベンゲル。とりあえずは成功に終わり、必須命題の勝ち点3を手に入れました。しかしまだGL突破を決めた訳ではありません。つまりまだ何も成し遂げていないのです。
本当の勝負は次節アウェイ・ポルト戦。そしてこの試合アンリは累積警告で出場出来ません。アンリ頼みからの脱却の真価が問われる一戦になりそうです。

HSVについても少し触れておきます。この日のHSVはとても負けっぱなしのチームには見えませんでした。もう最下位も決定している状態、失うものは何も無い、っていう開き直りが彼等の好プレーの要因でしょうか。
中盤でラフィの存在感は絶大だったし、マハダビキアも右からよく崩していた。トロホウスキも非凡な所を披露。これで何で未だ1勝しか出来ていないのか不思議です。
最終的に負けはしましたが、キッカケとなる試合にはなったのでは?

興奮度:65%

MOM:ウォルコット