05-06 UEFAチャンピオンズリーグ QF 2nd leg

2006.4.4 ジュゼッペ メアッツァ
3
1-1
1
2-0
インザギ(25分、セードルフ
得点
ディアラ(31分、クリス
インザギ(88分)  
シェフチェンコ(90+3分)  
メンバー
1 ジーダ
GK
1 クペ
   
31 スタム
  (24分 5 コスタクルタ)
13 ネスタ
4 カラーゼ
27 セルジーニョ
DF
31 クレルク
3 クリス
5 カサパ(C)
20 アビダル
 
 
21 ピルロ
  (71分 23 アンブロッジーニ)
8 ガットゥーゾ
  (78分 3 マルディーニ)
20 セードルフ
22 カカ
MF
7 M・ディアッラ
8 ジュニーニョ・ペルナンブカーノ
14 ゴヴ
  (83分 12 レベイェール)
10 マルダ
 
 
7 シェフチェンコ(C)
9 F・インザーギ
FW
11 フレッヂ
  (71分 9 カレウ)
22 ビルトール
   
         ヂダ

スタム  ネスタ   カラゼ  セルジーニョ

        ピルロ

    ガットゥーゾ   セードルフ

        カカ

    シェバ    ピッポ

布陣
          クペ

クレルク  クリス   カサパ  アビダル

      ディアラ  ペルナン

 ゴヴ              マルダ

     ビルトール  フレッヂ

sub
16 カラッツ GK GK 30 ヴェルクートル
10 ルイ・コスタ MF DF 4 ミュラー
14 フォーゲル   MF 6 クレメント
11 ジラルディーノ FW   26 ペドレッティ
FW 19 ベンゼマ
ガットゥーゾ
F・インザーギ
セルジーニョ
マルディーニ
イエローカード
レッドカード
出場停止選手 ティアゴ
カフー 戦線離脱中選手

観戦レポ

壮絶な試合でした。こんな最高レベルの試合を見てしまって良いのかと疑問にすら思います。
そしてリヨンの悔しさがヒシヒシと伝わってきます。これだけ素晴らしいパフォーマンスをして、何故負けたのか、来季以降どうすれば勝ち上がれるのか、ウリエやペルナン君は眠れない日々が続くでしょう。
立ち上がりからペースはリヨン。ミランのバックラインがもたつく場面が何度かあり、そこを突きリズムを握った印象。ティアゴがサスペンションなのでいつもの4-3-3では無く4-4-2の布陣を敷いたリヨンですが、内容はいつも通り。
結局ゴヴ、マルダのサイドアタックはそのままに、トップのビルトールが幅広い動きが出来るからこそ成り立ってるのです。
ではこの立ち上がりにゴールを奪えなかったのが敗因?一理はありますけど、全てでは無いです。
このリヨンペースの中で先制点を奪ったのはミランだったので、確かにそこの差はあります。一瞬の隙も逃さなかったミランの勝負強さ。しかもスタム負傷退場という重い空気の中。リヨンのミス絡みでしたが、セードルフは高い集中力を持って素晴らしい動き出しから正確なセンタリングを放ち、ピッポは完璧なポジショニングでフリーのヘディングをリヨンゴールに見舞いました。30歳と32歳の経験が活かされたミランの先制劇。
だがこれでミランが圧倒的に有利になったかというと、そうでは無い。リヨンは1点さえ取れば逆転出来る。それを把握していたジュニーニョ・ペルナンブカーノ31歳の「慌てるな」という失点直後のイレブンへの指示。
それが現実のものとなったのは僅か6分後の事でした。ジュニーニョの右足から放たれたキックはミランイレブンが予測出来ない軌道を描きゴール前へ。そこに飛び込んだのはカサーパ、フレッヂ、クリスの3人。ミランに読めなくても自分達はわかる、これがチームってもんです。しかし誰も決めれずクリスに「当たった」ボールは真上へ跳ねます。ピンチを脱したかに見えたミランですが、移籍市場でも熱視線を浴びるディアッラ24歳の身体能力はこんな場面でも発揮されました。誰よりも速くボールに反応し、誰よりも高く跳躍。
リヨン同点つまりアウェイゴールルールで逆転。試合前から恐れていたペルナン君の飛び道具が現実のものとなった瞬間であり、ペルナン君自身は相当な自信があったので「1点は取れる、慌てるな」という風に考えていたのでしょう。
こうなったら焦るのはミラン。なんとしても1点を取らなくてはいけないが、無理に攻めてカウンターを喰らったり、ゴール前でファウルをする訳にもいきません。
この時点で私はリヨンの突破を確信した。下手に守りに入ってリズムを崩すチームもあるだろうが、リヨンは自分達のスタイルを貫き通す事が出来るだろうと。そしてその場合ミランよりもリヨンの方が「次の1点」を取る確率は高いのではないか?と。
実際フレッヂのポスト直撃ヘッドがあったり、ペルナン君の惜しいFKがあったり、と得点の臭いをプンプンさせてたリヨンに対してミランにはそういうものが感じられませんでした。
じゃぁ何故終了間際に得点出来たのか。ピッポの得点が決まった瞬間、真っ先に私の脳裏に写し出された映像は02-03シーズンのアヤックス戦。あの時も舞台はサンシーロで準々決勝の2nd legでミランが1点を取らなければ敗退、という状況。ロスタイムにロングボールのコボレをピッポが拾って劇的な勝利(記録上は最後に触ったトマソンのゴール)って試合。そのゴールへの道程がデジャヴでした。あの試合も何故アヤックスが負けなければいけなかったのか、ミランよりアヤックスの方が良かったじゃないか(結局この年はミランがビッグイヤーを獲得する訳ですが)、と答えの無い疑問ばかりが湧いたものでしたが、今回のリヨンも同様。来季以降のリヨンはどうなるのか?結局アヤックスはその後、キヴ、ファンデルメイデ、ズラタン、ラフィと次々に黄金のメンバーが売られていき栄光は今の所戻っていないですが、リヨンも同じ道を歩む可能性は高い。3シーズン連続で準決勝の道が閉ざされた訳ですが、その間もエヂミウソン、ドラソー、リュインドゥラ、エッシェン、と次々と主力が抜けました。来季ディアラがいなくなる可能性は大で、クリス、ゴヴ、マルダ、フレッヂ、ジュニーニョあたりも危険です。CLで勝ち上がる事がなんと難しい事か、想像は難しくないです。
完全に集中力が切れてしまったリヨンがロスタイムに犯したバックパスミス。逃さなかったシェヴァも見事でしたが、このシーンが全てを象徴してると思います。まぁシェヴァにとっては決勝点のシーンでポストに2回当たっても入らなかった(そしてそれをピッポが押し込んだ)ので、その分が来た、って感じですね。
それにしてもピッポは勝負強い。現在アズーリのスタメンはジラルディーノですが、最近のピッポは軽くジラを凌駕してますよ。そこんとこサンシーロにも来てたリッピはどう見てるんかな?W杯みたいな大会にはピッポ必要だと思うんですけどね。そういうのはこの日のセードルフも証明してましたけど。
あとアンチェロッティね。終了後超満員のサンシーロのミラニスタを煽ってましたが、あんなに興奮してるアンチェロッティは初めて見ました。ビッグイヤー獲った時よりもスクデット獲った時よりも興奮してなかった?まぁそれだけ大変な試合だったし、昨季のトルコでの悪夢ってのが、まだ尾を引いてるんでしょう。
ミランはバルサにとっても手強い相手になりそうです。とりあえず明日バルサが勝てるかどうかってのが先やけど・・・。

興奮度:85%

MOM:セードルフ