05-06 UEFAチャンピオンズリーグ QF 2nd leg

2006.4.5 カンプノウ
2
1-0
0
1-0
ロナウジーニョ(19分、エトー
得点
 
エトー(89分、ベレッチ  
メンバー
1 V・バルデス
GK
31 モレット
   
2 ベレッティ
5 プジョル(C)
23 オレゲル
12 ファンブロンクホルスト
DF
33 リカルド・ローシャ
3 アンデルソン
4 ルイゾン
5 レオ
 
 
24 イニエスタ
17 ファンボメル
  (85分 15 エヂミウソン)
20 デコ
MF
6 ペチート
14 マヌエル・フェルナンデス
  (82分 19 マルセル)
11 ジェオバンニ
  (55分 10 カラグニス)
16 ベト
  (72分 34 ロベール)
20 シモン(C)
 
 
9 エトー
7 ラーション
  (86分 8 ジュリ
10 ロナウジーニョ
FW
30 ミッコリ
   
          バルデス

ベレッチ  プジョル   オレゲル  ジオ

         イニエスタ 

      ボメル      デコ

  ラルソン           ガウショ

          エトー

布陣
        モレット

ロシャ  アンデルソン   ルイゾン  レオ

     ペティ    フェルナンデス

 ジオバンニ   ベト     シモン

        ミッコリ

sub
25 ジョルケラ GK GK 12 キム
16 シウビーニョ DF DF 22 ネルソン
26 ロドリ   MF 17 カリアカ
11 M・ロペス FW FW 9 マントラス
14 エスケーロ  
デコ
エトー
イエローカード マヌエル・フェルナンデス
ルイゾン
アンデルソン
レッドカード
出場停止選手
シャビ
モッタ
メッシ
マルケス
戦線離脱中選手 ヌーノ・ゴメス
アウシデス

観戦レポ

非常に痺れる試合をやってくれました。あっという間の90分でしたよ。
最初のドラマは開始早々、前半5分のロナウジーニョPK失敗。見事にモレットに止められた訳ですが、まぁこれが入っていてもいなくてもその後の展開は大して変わってなかったと思うよ。
モレットをのせたのだけは事実だけど、最大のポイントは「ベンフィカのアウェイゴールがいつ入るか」なんですよ。だから先制ゴールっていうのは特別な意味が無くて、いかにバルサは2点目を取り、楽になるかってのが勝負の分かれ目。PK失敗に関しては14分後にキッチリとガウショが埋めたので問題無いのですよ。
で、ポイントである1-0以降の話。ここがこの試合の醍醐味だったのよ。ベンフィカは最初からプラン通りにゲームを遂行。ひたすら1トップのミッコリにウラを狙わせる。再三再四オフサイドに引っかかったミッコリでしたが、その中の1本でも通ればベンフィカは天国にバルサは地獄に堕ちます。
そのピリピリとした緊張感はエトーのゴールが決まる89分まで続きました。
クーマンのプランは時間帯ごとにキッチリと決まっていたみたいで、まず後半10分にカラグニス投入。中盤から決定的なパスorミドルシュートを決めれる彼の投入で分厚い攻めを目指しました。実際決まってもおかしくないミドルを喰らったので、これもプラン通りに遂行されたと言えるでしょう。
更に後半30分手前でロベール投入。悪魔の左足を持つ彼の投入で、カンプノウに「セットプレーを与えてはいけない=ファウルを犯せない」という空気を与える事に成功。更には実際にあったセットプレーの場面でロベールを囮に使う狡猾さも見せました。
最後のカードはマルセル。残り10分になったらパワープレーで行こう、と考えていたのでしょうね。
以上の様なプランの前にバルサはある意味完全にしてやられました。緊張と恐怖でガチガチになってる場面もあった。これは時間が残り少なくなればなるほど顕著で(終了間際に取られると取り返す時間がなくなるからね)、それは落ち着き払って戦況を見つめるクーマンと常に余裕のない表情で指示を与え続けるライカールトの姿からも見て取れました。
あの魂の主将プジョルでさえも全く余裕が無かった。そう、追いかける立場の方が得てして楽なもんなんですよ。
ではバルサのプランは?というと、これはもういつも通りの戦いです。あくまでも目標はバルサスタイルでの欧州制覇。カンプノウでスタイルを崩し汚く勝っても超満員の観衆は認めません。ただこのスタイルはホントに諸刃の剣で、うまくいけば最強ですが、そうでない場合に対処の仕様がない。
実際ベンフィカとの戦いで1st legもバルサの良い感じの攻めは何度も見られた。しかし結果はノースコア。やり方が悪い訳ではないので決定力不足とツキの無さを嘆くしかない。
そして2nd legも乱暴に言えば同じ展開。大量得点が入ってもおかしくなかったし、実際の結果の様に2-0でもおかしくなかったし、0-0ってスコアも再びありえた。
それでも結果的にバルサは勝った。キッチリと我慢する所は我慢し、耐えれる所は耐えた。またひとつチームとして成長が見られた。そんな勝利。クラシコを全力で取りにいかなかったのも全てはビッグイヤーの為。だからこそ、「獲れなかったら?」と考えると恐怖ばかりが襲い、ベンフィカの様な失うものが何も無いチームの方がチカラを発揮出来たりするものだが、それをも今回乗り越えた。
恐怖心の捨て去り方を実際にプレーで体現したのがベレッチ。バルサをアウェイゴールの恐怖から救う2点目を決めたのはエトーですが、そのアシストはベレッチ。カウンターの様な状況の中、何故に右SBがゴール前にいるのか?しかも終了間際です。ウラを取られる事を考えるとリスクは大きすぎる。しかしベレッチはそこにいた。そう、前に行かないと得点は産まれないのです。監督によって好みが分かれるベレッチのスタイルですが、今回は結果的に吉と出た。ベレッチがもしあそこにいなかったら?バルサは残り時間、ロスタイムを含めて5分ぐらいを耐えなければいけませんでした。どう結果が転んでいたのか、断定は出来ません。
そしてもう1人の殊勲者はエトー。これは2点目を決めたからではなく、彼のディフェンス能力も含めたトータルバランスを讃えたいからです。常にディフェンスをする姿勢を見せるエトーですが、この試合ではそれが2得点ともに直結しました。
まず1点目、ファンボメルとの囲い込みから相手のミスを誘いボールを奪取。そこからエリア内に侵入するとドリブルで抜き去り、後はガウショに決めて下さい、ってパス。ディフェンス、ドリブル、パス、全てが素晴らしいよね。
そして2点目、これも最初はエトーのディフェンスによるボール奪取から。そこからカウンター気味に得点した訳ですが、一直線にゴール前へ行くスピード、そしてベレッチからのパスを慌てずにフィニッシュ。しかも強烈に!!計り知れない貢献度ですよ。
ピボーテでパスを捌き、ディフェンスも常に頑張っていたイニエスタも忘れてはいけませんが。
さてさて次の相手はミラン。これはもうどっちも負けられないですからね。ガチンコの好ゲームが期待出来ます。「事実上の決勝戦」ばかりで今季もCLはオモロいね!

興奮度:80%

MOM:エトー