タイトル ドラゴン・タトゥーの女 (2011年 アメリカ)
 
監督 デヴィッド・フィンチャー
主演 ダニエル・クレイグ
鑑賞日 2013年4月6日
一言 世界的ベストセラー・ミステリーが原作らしいサスペンス映画。
「誰がハリエットを殺した?」のキャッチコピー通りに、犯人捜しが一応の主たるテーマであります。
40年前の少女失踪事件を今更?っていう難しさ、主人公が社会的に追い詰められたジャーナリスト、謎の刺青女性天才ハッカー、
と設定の巧さが秀逸でした。

もうね、中盤までのオモシロさは100点満点でしたよ。
流石フィンチャーやで!!!と唸るワクワクさ。
主人公の窮地に陥ってる環境、天才ハッカーの目を背けたくなる生活環境と仕事の完璧さ。
依頼人の不穏な親族関係。
これが徐々に徐々に盛り上がっていくんですよ。
これは巧いなーー、と思いました。
実に素晴らしかった。
当座の事件だけでなく、過去との事件の因果関係も良かったしね。

なので、問題は終盤ですよ。
謎が解決してからの話ですよ。
近親相姦だの、キリスト教だの、強姦だのといったものには、正直「またか」の想いもある。
こんな性描写いる?って途中で思ってたけど、それは伏線だったのねと。
まぁただここまでは許すよ。
酷かったのはハリエットの現在。
親族の1人の名前を使って生活してましたよ、ってね。
こんなんバレバレでしょ?
実際主人公も最初はその親族だと思って訪ねるわけなんですよ。
で、最後の最後で「もしかして貴方がハリエットでは?」となるのですが・・・。
身内がいったらバレバレでしょ。
会っただけで、すぐに分かるでしょ。
なにせ「その親族としての」居場所はすぐに突き止められてるんだから。

甘いわ。大甘やわ。
2時間半超えの大作のオチがこれってね・・・。

事件が解決してからも冗長やったな。
主人公のリベンジ劇とか、大金頂戴しますよシーンとか、新たな恋とか・・・。
全くいらんかったよね。
特に最後のプレゼントを捨てるシーンは、愚の骨頂。
いやいや、娘と会うって言うてたやん。
職場に女もおるって知ってたやん。
何を今更「え、私だけの彼じゃないの・・・」みたいな感じになってんの??
全く意味がワカラン。

これも事件解決のオチが弱かった事による弊害ですかね?
あのままじゃ終われん!っていう。
ってか原作本も同じオチなん?
あんな弱いオチで「世界的ベストセラー」なん??

途中までは最高やったから、滅茶苦茶に批判するほどではないけど。
うーーむ。
中盤まで100点、終盤0点なので全体的には60点ぐらいかな。

P.S.
オープニングの映像は良かった。
でも歌が残念。
ツェッペリンの曲やってんけど、なんでカバーなん?
変なデジロック風にカバーされてたけど、あれやったら原曲で良いやん。
原曲の方が、滅茶苦茶カッコ良いねんから、そのままでいこや。
なんかプライマルスクリームの「ミス・ルシファー」っぽい曲の仕上がりになってたね。
それはそれで、それやったら「ミス・ルシファー」の方が良いしね。
いずれにしても、どっちつかずで中途半端な曲でした。
個人的評価 60点