06-07 UEFA チャンピオンズリーグ グループD 第5節

2006.11.22 オリンピスキー スタディオン 
1
0-0
0
1-0
マリカ(61分、ジャジソン
得点
 
メンバー
35 シュスト
GK
32 ドニ
   
33 スルナ
5 クチャー
27 シグリンスキー
26 ラット
DF
77 カッセッティ
21 フェラーリ
  (69分 7 ピサーロ)
5 メクセス
2 パヌッチ
 
 
6 ドゥリャイ
4 ツモスチュク(C)
38 ジャジソン
  (81分 36 エラーノ)
7 フェルナンジーニョ
  (90+1分 19 ガイ)
MF
16 デ ロッシ
11 タッデイ
20 ペッロッタ
8 アクイラーニ
  (78分 9 モンテッラ)
30 マンシーニ
  (78分 23 ヴチニッチ
 
 
29 マリカ
  (75分 17 アガホア
25 ブランドン
FW
10 トッティ(C)
   
        シュスト

スルナ  クチャ   シグリンスキ  ラット

     ドリャイ ツモシュク

 フェルナンジーニョ       ジャジソン

      マリカ ブランドン

布陣
           ドニ

カセティ  フェラリ   メクセス  パヌッチ

          デロッシ

タッデイ  ペロッタ   アクイラニ マンシニ

          トッティ

sub
12 シュトコフ GK GK 1 クルチ
32 スビデルスキー DF MF 18 ビルガ
10 ヴュキッチ MF   28 ロージ
20 ビエリク FW FW  35 オカカ
イエローカード ペッロッタ
カッセッティ
ピサーロ
レッドカード
ヒュブシュマン 出場停止選手
レバンドウスキ
マツザレム
戦線離脱中選手 マルティネス
キヴ
トネット
ファティ

負の遺産

勝ち点を1つ取ればGL突破を決めれるローマ。残り2試合を連勝しても自力での突破を決めれないシャフタール。
そういう現在の勝ち点状況が試合内容にも反映されました。

まず引き分けでOKなローマは無理に攻めませんでした。そして前半はこの守備的な戦い方が、ものの見事にハマります。
ホームの大観衆を背に積極果敢に攻めて来るシャフタールに対して、大人の対応をしたローマ。かわしたり、じらしたり、ボールを持たせたり。
カペッロがローマの監督だった頃は毎試合こんな試合ばかりでしたよね。カペッロ時代にも在籍した選手は少なくなっているとはいえ、手慣れたもんです。
今季のローマは凄く攻撃的です。実際週末のセリエでも7ゴールを奪ってウクライナに乗り込んできてる訳です。
でもそんな戦い方だけでなく、必要に応じた戦い方が出来るという事を前半のローマは証明しました。

前半のシャフタールはボールポゼッションは高いけど、実際はそれだけで決定機も作れず完全に遊ばれている状態でした。
チーム力の差がまざまざと伝わって来た前半。シャフタールが勝つなんて、この時には想像すら出来ませんでした。
しかしサッカーってのは非常に恐いスポーツなんですよね。スポーツの中でも強いチームが勝つ確率が低い、っていうか番狂わせが起こる確率が高いと言われてるだけの事はあります。1つのゴールが試合を大きく動かすのです。

後半もローマのペースで試合は進んでいました。前半と同じリズムで時は流れていたのです。
そんな後半16分、試合が動きます。
ジャジソンのループパスにオフサイドラインギリギリで抜け出したマリカが頭で突き刺しました。
シャフタール先制!!
正に一瞬の出来事でした。しかし2人のコンビネーションがピッタリ合ったゴールで偶然のゴールではありません。

さて、ここから試合は思わぬ方向に動きます。
っというのは、ここまで完璧なフットボールを展開していたローマですから1点取られても問題無いと私は思っていたのですよ。
残り時間は30分もあるし、ベンチには敢えて攻撃的な選手を置いてる訳ですから。
そして予想通りスパレッティは、ピサーロ、モンテッラ、ヴチニッチと3枚のアタッカーを投入します。
これであっさりと追い付くだろう、そんな風に考えていました。
しかし、実際はそうならなかった。想像していた以上に選手達は慌てていた。
今季のローマの試合で何度となく見られた躍動感溢れる攻撃は最後まで見せれず。トッティを中心にリズムを作る事すら出来なかった。
中3日で戦ってるローマと、既に国内リーグがウィンターブレイクに入り休養充分なシャフタールとのコンディションの差か!?
それもあったでしょうが、メンタル面の差が勝敗を分けたと思います。
ローマの試合前のプランは「引き分け狙いで堅く戦い、もし先制されたら攻撃的なメンバーを投入して反撃する」だったと思います。
守りにも攻撃にも自信があるからこそ選択出来た作戦でしょう。そして守りはハマっていた、先制されてからもプラン通りのメンバーを投入した。何もアクシデントは無かった。
でも選手達は違いました。
あまりにも完璧に守備がハマっていた事もあって、想定していた筈の「失点」というシチュエーションが想定外になっていた。
失点した時点でチームの自信が完全に崩壊してしまっていた。
だから反撃が上手くいかなかったのでしょう。
端的に言うと、自信過剰、自惚れですわ。

逆にシャフタールは完膚無きまでにやられていたので、1点取れた時の喜びは大きく、そこからの集中力も切れなかった。
前節リードしながらもバレンシアに追い付かれたので、その教訓も活かせた。それにディフェンスの手本は前半に目の前でローマに見せてもらっていた訳ですしね。

この日のローマは得意の「ゼロトップスタイル」を1分も披露しないまま敗れた訳ですが、もし最初から本来のスタイルで戦っていたら結果はどうなったのでしょうか?
勝負事に「たら、れば」は無いけど、守りが良過ぎたのが敗因になっちゃったからね。カペッロの負の遺産ですなぁ。

興奮度:65%

MOM:ドゥリャイ