タイトル 少年は残酷な弓を射る (2011年 イギリス)
監督 リン・ラムジー
主演 ティルダ・スウィントン
鑑賞日 2016年1月23日
一言 予告編が凄く上手く作られていたのよね。
生まれながらにして母親を嫌ってる少年。
赤子の頃から、母親にあやされても泣き止まないが父親が抱くと直ぐに笑顔になる。

この設定の謎を解きたくて観たようなもんです。
物心ついてからの嫌がらせオンパレードは理解出来る。
やろうとしてやってる事ですから。
ただ赤ん坊の時から、ってのをどう説明するのかな、って思って。
その頃から意志を持ってやってた、とするとホラーかコメディかしか無理でしょうから。

で、結論から言うと、説明は無し(笑)
でも結果的にはそれが成功し、良質のサスペンスになった。

母親だけを何故嫌っていたのか。
母親に嫌がらせする為に、学校で大量殺戮。
母親を悲しませる為に、父親と妹も殺す。

何が彼(エズラ・ミラー)を動かしたのか。
そこまで突き動かしたのか、っていうのは観客の心に委ねられました。
ただ不快感は無い。
つまり名演技だった、って事かな。

あえて残虐なシーンを入れなかった事。
時間軸を巧みにコントロールし、話の流れを上手く描いた事。
このあたりは高評価です。

そして母親の強さね。
事件後、嫌がらせを受けるのはムショに入ってる本人ではなく母親。
街では唐突に殴られ、職場でも嫌味を言われ、起きたら家はメチャクチャ。
家族で唯一生き残ったので、彼女に鬱憤が集中するのは自明の理ですけどね。
それでも遠くに引っ越したりしないのが、母親の責任なのでしょうか。
本当の一番の被害者は、彼女なんですけどね。

あ、音楽はジョニー・グリーンウッドが担当してたらしい。
最後はレディヘっぽかったなw
個人的評価 75点