04-05UEFAチャンピオンズリーグ グループB第2節 

2004.9.28 サンチャゴ ベルナベウ
4
1-2
2
3-0
ラウル(39分、フィーゴ
得点
デロッシ(3分、デラス
フィーゴ(53分、PK) カッサーノ(21分、ペッロッタ
ラウル(72分、フィーゴ  
ロベルトカルロス(79分、フィーゴ  
メンバー
1 カシージャス
GK
22 ペリッツォーリ
   
2 サルガド
6 エルゲラ
19 サムエル
3 ロベルト カルロス
DF
30 マンシーニ
2 パヌッチ
31 デラス
25 クフレ
32 カンデラ
  (61分 7 サルトル)
 
 
23 ベッカム
20 セラデス
  (64分 14 グティ
10 フィーゴ
5 ジダン
MF
20 ペッロッタ
15 ダクール
4 デ ロッシ
  (76分 99 ミド
 
 
9 ロナウド
  (85分 15 ラウール ブラボ
7 ラウル(C)
  (82分 22 パボン
FW
10 トッティ(C)
18 カッサーノ
   
         カシジャス

サルガド  エルゲラ   サムエル  ロベカル

    ベッカム     セラデス

フィーゴ            ジダン

    ロナウド     ラウル

布陣
          ペリッツォーリ

マンシニ  パヌッチ  デラス  クフレ  カンデラ

    ペロッタ   ダクール   デロッシ     

        トッティ

              カッサーノ

sub
26 ディエゴ ロペス GK GK 1 クルチ
24 メヒア DF DF 8 フェラーリ
8 モリエンテス FW   19 スクルト
11 オーウェン   MF 23 アクイラーニ
  FW 9 モンテッラ
エルゲラ

サムエル

セラデス

イエローカード パヌッチ
レッドカード
出場停止選手 メクセス
ウッドゲイト

ボルハ

ソラリ

セサル

戦線離脱中選手 キヴ

トンマージ

デルベッキオ

観戦レポ

こんなに切羽詰った試合になるとはね。
一昔前のマドリーとローマの対戦は、いかにも名門同士というか遥か高みの試合をやってる感じでしたが、この日のゲームはまるで降格争いの試合の様な泥臭さって言うか緊迫感。
フットボールフリークの方なら優勝争いよりも降格争いの試合の方が、ある意味おもしろいってのはご存知でしょうが、このハイレベルのギャラクティコ達がそんな試合してる訳なんで、通常のCLよりも数倍オモロい試合になりました。
それぐらいにどちらもガケっ淵のチーム状況。
似通ったチーム状況です。
監督はいなくなるし、国内リーグでは勝てないし、CL第1節は0-3で負けるし、っていう。

ギリギリの試合は、開始3分いきなりのローマの先制ゴールで幕を開けます。
昨季終盤からのマドリーのもやもやを象徴する様なゴール。
簡単にオフサイドライン破られました。
しかもデラスにファンタジスタパス出されてますからね。
それにしても最近デロッシは得点能力も上がってきたね。
ベルナベウは早くもブーイング。
「今日もか」
って感じでしょう。
先制した事でいきなり守りに入るローマ
ですが、元々ローマはこういう戦い方が得意なチーム。
アウェイで先制したんだから、ローマ的には守って当然。
5バックとトレスボランチでガッチリ鍵をかけます。
そしてお得意のカウンターで追加点。
トッティが王子キープでマドリーDFを引き付けて、そこからスルーパス。
カッサーノはオフサイドでしたが、直前でペロッタが触ったって事でオンサイド。
難しいシュートをポストに当てながら決めました。
単なる守るだけのチームじゃなく、攻撃陣に有数のタレントがいるから、こういう状況でのローマは鬼強い
2-0。
更に強まるベルナベウのブーイング。
顔を歪めるエルゲラ。
焦燥しきったラウル。
怒るカシージャス。
苦悶の表情のサムエル。

うまくいってない。

そんな銀河系の選手達の顔が次々に映し出されます。
今日も駄目なのか?

マドリーにとっての幸運は、この日の相手がローマだった事。
この時間までのローマは最高でしたが、この後は最低でした。
ローマで良かったね、マドリー。
ローマの状況はマドリーよりも、もっと深刻だったみたいです。

ここからローマはひたすら守ります
当然守るさ、勝ちたいねんから。
そういう文化ですから。
それにマドリーは、なんと公式戦でこの試合まで2点取った試合がゼロ。
攻撃力がウリのチームが、なんとまぁですよ。
それがここまでの不調を物語ってるんですけどね。
勝てるとタカをくくったローマはただただ守ります

しかし土壇場のマドリーは、ただ守るだけでは守り通せない相手でした。
それにフットボールってのは度々「運」に左右されるものです。

まずは39分、ラウルのミドルで追撃のゴール
これは上手い具合にDFの足に当たったおかげでループ気味になった幸運でした。
ジダンが痛々しい肩で投げたスローインが神通力になったのか?

そして後半、元同僚パヌッチからのプレゼント
エリア内でラウルを押したとしてPK。
これはVTRで見ると確実に両手で押してます。
が、そんなにチカラ入れて押してる様には見えないですね。
ラッキーといえるでしょう。
職人フィーゴが決めて、遂にマドリー今季初の2点目
同点に追いついた事で、やっとエンジンがかかってきたマドリー。

ローマはカンデラを下げてサルトルを投入。
フィーゴに好きなようにされてたので、そこを改善しようって事でしょうか?
つまり更に守備を固めました
しかしカンデラの強烈な攻撃力ってのは今日は全く見れなかったですね。
カンデラの責任というよりは、今のチーム状況が悪いから、って感じです。
それにしてもカンデラからサルトルじゃ格下がっちゃってるよ。
よりいっそうフィーゴに遊ばれたのは自明の理でした。
そして72分、遂に逆転ゴール。
フィーゴのミドルをラウルがプッシュしました。
実際ラウルの足に当たったのか?自殺点っぽくもあるぞ?
いやそんな事はどうでもいいんです。
ゴール後のラウルの咆哮見ましたか?
あんなラウル滅多に見れないですよ。
この瞬間、チーム、スタジアム全てが一体となりました

逆転されてからやっとこさミド投入で、勝点を狙いに行くローマ。
2点目取って以降はトッティのFKぐらいしか得点の香りがしてませんでしたからね。
それはそれで強烈なモノでしたが。

しかしミドの投入は遅すぎた。
遅くても同点にされた時点で投入すべきでした。
引き過ぎた事で、逆にマドリーをやり易くしてた事に何故気付かないんだ?
引き過ぎで、ボールを奪ってからでも全くマイボールに出来なかったローマ。
手負いのマドリーでも自らポゼッションをあげてりゃ点取るよ。

ミド投入は遅過ぎたんだよ、って説得するようにミド投入の3分後ロベカルがトドメの芸術ミドルを決めます。
どうだ、って顔のロベカル。
ミドルシュート撃つたびにサポからブーイング受けてましたからね。
日本で冷静に見てると決まらなくても効果的だったミドルも、現場で負けてる状況で見てたらイライラするんでしょうな。
やっとロベカルにも笑顔が戻ります。
チームメイトの祝福も半端じゃないです。
誰もが今のロベカルの置かれてる状況を理解してたんでしょうな。

結局そのままマドリーが逃げ切り。
82分から2トップを下げて、パボン、ブラボを入れたのには、そこまで心配なんかよ、って苦笑いしたけど。
結果だけ見ると得点をガンガン取ってた頃のマドリーが帰って来たようです。
あの頃も最初は立ち上がりはエンジンのかかりが遅くて、リーガの下位チーム相手にでも平気で何点も取られてましたからね。
ただ今とあの頃が違うのは、「心の余裕」でしょうか。
あの頃は立て続けに2点ぐらい取られても、「丁度いいハンデ」ぐらいのテンションで皆プレーしてたように見えます。

ただこの日は2点取られると「この世の終わり」みたいな顔してましたからね。
この勝利をきっかけに、かつてのマドリーが戻るのか?
それともローマが悪過ぎたってだけで、結局不調のままになっちゃうんでしょうか。
それを見ていくのも今後の楽しみですね。

クーレの私が今日はマドリーを応援しちゃったよ。
宿敵が不甲斐無さすぎるのも、つまらないからね。
それにローマにイタリアの王道的勝ち方されるのも気に喰わないし。

ローマは、これでもう負けられなくなりましたね。
新監督が決まってからどう変わるかが焦点でしょうか?

満足度:85%

MOM:ロベルトカルロス