マドリー×バレンシア
首位攻防戦。ま、天王山ですわ。追いかけるバレンシアは絶対負けれないし、ベルナベウでマドリーが無様な試合をする訳は無いしで、これは好勝負が期待できそうです。立ち上がりから決定機を掴んだのはバレンシアでした。アイマール、ミスタのコンビが冴えます。ベニテスは、この試合に完全なプランを持って来ているようで、序盤からバレンシアペースが続きます。プレッシャーが凄いのよ。寄せが速いのよ。バラハ、アルベルダは言わずもがなで、アジャラ、マルチェナと中央が堅いわ。ベニテスが恐れていたであろうFKを何本か与えてしまったのは誤算でしょうが、運良くロベカルもベッカムも決めれませんでした。5本ぐらい良い位置であったんちゃうかな?その功績はカニサレスも大きいですがね。この日も見事なパフォーマンスと存在感を見せてくれました。予想通りの濃い内容のまま後半へ。焦点はマドリーが、どう崩すか?この日のフィーゴはキレキレで絶好調で抜群だった訳なんですが、サルガドとのコンビでも得点には至らず。ベッカム、グティのピボーテも悪くは無かったんですがね。やはりジズーでしょうか?ジダン出場停止は痛いのか?「ジダンがいないとダメ」これを言われて一番嫌なのは代役のソラリでしょう。しかしこの日のソラリは、それを意識しすぎてるのか、あまり良いトコ無しでした。いっつももっとやれてるのにな〜。ケイロスはポルティージョに代えますが、3トップは機能してるとは言いがたく、むしろ深みにハマった感じです。こういう状況だと点取るのはバレンシアですわ。CKからアジャラのヘッド1発で先制します。恐ろしやロベルト・アジャラ。ヒールが良く似合います。あ〜、もう完全なバレンシアの試合ですわ。このままバレンシア完勝?と思われたロスタイム、レフェリーが余計な事をします。エリア内でのマルチェナとラウルの競り合いにPKの判定を下します。これはブチ壊しデスよ〜。せっかくバレンシアの見事な闘いぶりだな〜、って感慨に浸ってたのにコレかよ。あれがファウルか〜。ラウルもむしろビックリしてたやん。大久保なら間違いなく「金もらってんだろ」とか言って退場喰らってるね。う〜ん、キッチリ決めてドローに持ち込んだフィーゴは流石PK職人ですが、後味悪いね。

第5節 バレンシア×マドリー
バレンシアの完勝となったこの試合。実にバレンシアの良い所ばかりが目立ちました。まず立ち上がりは「アイマール・ショウ」。アイマール君がキレキレで、マドリー全く止めれません。おもしろい様に遊ぶアイマール、跳ねるアイマール、自由なアイマール。カンビアッソもといマドリーは完全に翻弄されています。そして先制点も勿論アイマールから始まって、ホルヘロペスのクロスをミスタがニアで決めました。この時のアイマールのスペースメイキング、そしてそこに入ったミスタの動きも見事でしたよ。バレンシアの攻勢がしばらく続きます。見ていてこれは楽しいです、美しいです。しかしそんな至福の「アイマール・ショウ」も僅か30分で終幕となります。どうやら故障らしくオリベイラと交代します。う〜ん、残念。そしてここを突けるのかマドリー!?ラウル、エルゲラがいない以外はベストメンバーなんですが、この2人の欠場は非常に痛かったです。まずロナウドが前線で孤立する場面が非常に目立ちました。ジダンも故障持ちで本調子では無いし、グティはロナウドとのコンビは全く合わないのか沈黙。ソラリ、ポルティージョといった交代メンバーも有機的に働けず、この日のマドリーはホントにヘッポコチームの様でした。フィーゴが孤軍奮闘って印象ですからね。でもそれぐらいにバレンシアが良かったよ。こういうのを「チーム」って言うんですよね?ルフェテやオリベイラといった投入組も直ぐに試合にフィットしてるし、オリベイラは嬉しいリーガ初ゴールまで叩き込みました。かなりの「ごっつぁん」ですがね。そして何よりもビセンテですわ。アイマールに負けず劣らずの奮闘ぶり。ナバーロ、マルチェナのCBもガッチリでしたし、カニサレスも流石のキーピング。言う事無しの圧勝は2-0のスコア以上に鮮烈でした。

アトレティコ・マドリー×レアル・マドリー
壮絶な試合となったマドリーデルビー第2章。ベルナベウではマドリーの圧勝でしたが、今回これ程までに死闘になったのは、やはりマドリーのチーム状態が今ドン底だからでしょう。最近悪夢の様な試合ばかりだったマドリーにとって、ここで勝利を掴めたのは非常に大きいでしょうね。何故勝てたのか?それはデルビーだったからでしょう。もう勝利への執念がいつになく凄かったよ。ボールへの執着心とか。これがあのスター軍団?!ってくらいに。まさに「勝ちたいんや」状態です。気持ちでもぎとった勝利ですわ。まずは開始5分の先制弾。フィーゴが華麗なドリブルで引き付けて、この日ケガのロナウドの代わりに出ているソラーリへ。左サイドからソラーリ、センタリング!って場面でしたがソラーリは直接シュート。セルヒオ・アラゴネセスは完全にクロスに的を絞ってたのでガラ空きのニアを抜かれました。元アッレティのソラーリのゴールにビセンテ・カルデロンは大ブーイングとなります。でもマドリーの良い場面なんて数える程で殆どアトレティコが押してたんですよ。F・トーレスがいないとはいえ、ナノ、イバガサ、アギレラあたりが頑張ってましたからね。それからパウノビッチは絶好調と伝えられるだけの事はあって素晴らしい動き出しでチームを牽引してました。しかし後一歩の所でゴールが割れず後半へ。その最後のピースを埋めるべく後半からニコライディスが投入されます。そのニコライディスいきなり結果を出します。後半開始早々、ゴールキックからウラへ抜け出すとパボンのファウルを誘ってPKをゲットします。これを決めて同点に追い付くと同時にパボンは2枚目のイエローで退場、マドリーは10人となります。とりあえずエルゲラをピボーテから下げてブラボとCBを組ませますが、そうなると中盤が空いちゃう訳でカンビアッソを投入せざるをえなくなりました。マドリーにとっては辛い判定でした。なんか全然ひっかかってなかったからシュミレーション取られてもおかしく無いPKでしたからね。パボンも久々なのに可哀想に。でもマイナスの状況をプラスに変えれるのがこのチームの歴史なんでしょうか?数的不利になってアトレティコに攻め込まれる時間が増えますが、逆にスペースが空いた事を利用してチャンスを作ります。そして後半33分再び勝ち越します。フィーゴのCKからベッカムが折り返してエルゲラがガラ空きのゴールにヘッドプッシュ!アトレティコイレブンはファウルを主張しますが、これは完全にGKの判断処理ミスでした。2-1としたものの1点ぐらいなら直ぐに失点してしまうチームがマドリーなんですが、この日は違いました。冒頭にも申し上げましたが、いつになく団結してたんですよ、彼らは。アッレティの攻撃も凄まじく、決定機も腐る程あったんですが結局追い付けないままホイッスルで、大ブーイングのスタジアムを後にしました。バルセロニスタの私としては、この試合マドリーに勝って欲しかったんですよ。何故ならボロボロのマドリーとクラシコやってもね〜、ってのがあるでしょ?これでクラシコも期待できます。持ち直したマドリーをベルナベウで叩こうじゃありませんか!!

デポル×マドリー
ミッドウィークのCLに向けて主力温存のデポル。ま、アンドラーデとマウロは次のCLサスペンションなのでフル出場でしたがね。リーガ優勝が懸かって絶対に負けられないマドリーとは違って良い具合に肩の力が抜けています。デポルは勝っても優勝に絡めないし負けても負けてもCL圏内は安泰ですからね。逆にマドリーはガチガチって事は無かったんやけど「フィーゴ事件」がね。クラシコで退場になったフィーゴなんですが何故かこの日は出場可能。イエローが取り消されたらしい。で、スタンドは過剰に反応してカンプノウばりのブーイングをフィーゴに浴びせる訳なんですが、それ以上に過剰に反応してしまったのが審判でした。明らかにイエロー出し過ぎやろ。なんか「俺はちゃんとイエロー出すぞ!」みたいな意識が働きすぎたんじゃないかな。ジズーが2枚のイエローで退場になっちゃったのがその象徴。勿論ジダンの2回のファウルはどちらもイエローに値するものでしたが、確実に主審がゲームをコントロールできてないなって感じでしたわ。それでもこのジダン退場直後に放ったラウルのバー直撃シュートが決まってりゃゲームもまた違う方向に行ったんでしょうが、この日のマドリーはホントにツキも無かった。カンビアッソのポスト直撃ボレー、ロナウドのポスト直撃ドリブルシュートと決まってもおかしく無いシーンは度々あったんですがね。ま、それ以上にデポルが良かったですわ。選手の質、戦術ともにCLで発揮できてる通りのパフォーマンスを披露。1点目もトリスタンのこぼれ球押し込み以上にそれまでのパスワークが素晴らしかったし、2点目のカプデビラの弾丸直接FKなんてこっちが銀河系の左SBだったのか?と思わせる程止めようが無かったです。イルレタの選手交代もルケ、セルヒオを良い感じで下げて、トリスタンの復調もできたしね。デポルはこのままの感じでCLファイナルへ行って欲しいですな。マドリーはこれで連覇はかなり厳しくなりましたね。明らかにチーム状態悪いよ、モナコに負けてから。それでも凄いプレーを見せて楽しませてくれるのは評価できますが。ここにきてマケレレ、イエロの穴ってのが深刻ですわ。

ラレアル×マドリー
昨季の同じアノエタでの大激戦に比べると両チーム1年で変わったなと感じました。まずはラレアル。CLとの併用による激務でリーガにおいては順位が中々上がらない状態ですが戦い方においてもそれが表れます。昨季はカルピン、デペドロの両翼のチャンスメイカーからの良質クロスとシャビアロンソの配球、そしてコバ、ニハトのコンビによる得点力でリーガを席巻した訳ですが、この日の攻撃パターンと言えば「とりあえずコバに当てる」でした。マイボールになったら、とりあえず最前線へ。これを徹底してやりました。勿論ニハトのスピードを生かしたり、カルピンに回してクロスを上げさせたりってな場面もありましたが基本はコバ。って言うか攻撃に絡む人数も上の3人にほぼ限定されました。この辺が昨季とは大きく違うわなぁ〜。でもレカルテは効果的な攻め上がりを見せて右サイドの支配に貢献。カルピンとのコンビネーションがロベカルを封じた最大の要因でしょうか?徹底するラレアルは勿論このパターンで先制ゴールを上げます。コバに当てたボールをカシージャスがこぼしてそれをカルピンが詰めました。先制すれば守りはある程度は計算できるラレアル。90分間マドリーをゼロに抑えて完封勝ちです。マドリーは何故完封されたのか?まずさっきも書いたけどロベカルが封じられた事。特に前半は殆ど上がる機会も無い程に元気無し。ただ調子悪かっただけかも知れへんけど。次に前線の銀河系の4人が上手く合っていなかった事。ま、これについてはこういう試合もあるって事ですよ。4人ともそれぞれ個性は発揮してましたからね。サルガド、グティのフォローもあってんけど個人的にはエルゲラがもっと攻撃に絡んだ方が迫力は出るわな。

バレンシア×デポル
この両チームはやっぱレベル高いで。パスがバッシバッシ回るし、そのパスに意図はあるし。これぞプリメラ。試合の方はまずはバレンシアが優勢に立ちます。ビセンテがロメロに倒されて疑惑のPKゲット。エリアの中だったのか外だったのか、そしてファウルだったのか?物議を醸す所ですが、とりあえずこのPKはバラハが止められてしまい結局「無かった」事になります。でもPKはこの1本で終わりませんでした。ミスタがゴール前で決定機を迎えたこぼれ球を走り込んで来たアイマールが蹴り込みかけますが、これを猛烈な勢いで後ろからマウロがスライディング。失点は免れたものの、これはPK判定。そしてマウロはロハ。主将を失って10人になっただけで無く、今度はビセンテにきっちりとPKを蹴り込まれます。先制点を許したデポル。しかも中盤にはポッカリとマウロの空洞が。セルヒオ1人に任せるにはバレンシアの中盤は非常に厄介な相手です。アイマールだけで無くPK失敗のバラハが猛然とゴールに襲いかかってきますからね。誰が見ても得点が欲しそうなバラハはセットプレーでは豪快に飛び込み、流れの中でも盛んにゴール前に顔を出します。悔しさもそうでしょうが、それ以上にデポルの中盤にプレッシングがありません。っていうかセルヒオ1人じゃかけれません。中盤の濃い試合だったのが一転ゴール前サッカーになっちゃいました。でもそれが有効に働いたのもミスタが好調だったから。ゴール前での動きだし、そして中盤を引き出す動きがバレンシアペースの決定打でした。しかしもう1人のターミネーターであるアイマールが故障でベンチに下がると徐々に流れはデポルへ。。。。特に後半は10人と感じさせない動き。フラン、ドゥーシェルを投入して中盤を整備するともういつものデポルに戻りました。パンディアーニはアジャラに格の違いを見せつけられてましたがバレロンは元気。そのバレロンを中心に同点に追い付いてもおかしくない場面を何度か迎えます。しかしCL用にビクトルを温存した事もあって、後一歩が詰め切れません。そして結局そのまま1-0で試合終了。ってなゲームでしたがロスタイムにビセンテが2点ブチ込みます。いや〜、このレポで一番伝えたい事はビセンテのキレキレ度ですよ。冒頭のPKゲットもそうだし豪快に決めたPKもそうだし、力まず打ったバー直撃ボレーもそうだし、後半のこれまたバー直撃FK。そしてロスタイムのゴール。パスを受けたスピードそのままにDFを抜き去りモリーナにも慌てずゲット。更にその直後にはフリーのファン・サンチェスにピッタリと合わせるクロスで3点目を演出。これ以外にも度々マヌエル・パブロに屈辱を与え、セサルを苛立たせ、アンドラーデを慌てさせました。ビセンテ王国でしたよ。今日の試合は。いや今日の試合もね。

ラレアル×ビルバオ
立ち上がりから立て続けにラレアルのチャンス。コバのヘッドはポストを叩き、シャビアロンソのミドルもポスト。更にCKからコバの「ど」フリーヘッドは枠の上へ。3-0でもおかしくない状況ですが、これを決めれなかった事によってダービーの行方は混沌とします。そして先制はとりあえず予想通りビルバオ。センタリングがDFに当たって丁度こぼれてくる幸運もあってジェステがダイレクトで決めました。運の左右の仕方も対照的。騒々しかったスタンドは更に騒々しく。あ〜デルビーですなぁ〜。このまま決めれない展開が続くのかと思われてたラレアルですが、カルピンがこの日好調だったのが良かった。ニハトの飛び出しに反応して同点ゴールを演出。勿論その他の場面でも光ってました。ハーフタイムに入る前に何とか追い付いて後半。個人技やセットプレー中心のアウェイのビルバオに対してラレアルは組織で攻めます。3人目、4人目の動きまでもが見事に連携してて、まぁそれが得点に繋がったのは1回だけですが見ててオモロ。コバが譲る場面があれば、もっとチャンスが広がったかな、なんて思いますがでもそれだとコバらしさが失われてしまいます。そんな感じで1-1ドローで終了です。ビルバオは10人で良く粘ったと思いますね。