第6節 シュツットガルト×ドルトムント私好みのカードです。楽しみです。躍進中のシュツットガルトは、この日もその勢いを見せてくれました。牽引車は初先発のラームでした。若さに任せて上がる上がる。かと言ってディフェンスもおろそかじゃないし、ただ上がるだけで無く効果的に攻撃に絡んでるんだからマガトが使いたくなる理由も解ります。これにフレブのドリブル突破が加わるもんだから左サイドは手がつけられません。アウェイ戦術を取るドルトムントは苦戦を強いられます。3-4-3で臨みますが、ちょっとバックが下がり過ぎる場面が目立ちました。ヴェルンスのスピードは衰えてないし、マドゥーニの高さも健在、ベルグデルモもすっかり馴染んではいるのですがね。ケール、ロイターが最終ラインの前で地味な仕事をしますが、ここからと前線の距離が開き過ぎでした。たまらずコレルは下がってしまい、ボルドン、メイラに楽をさせてしまいます。デデ、エヴェルトンのブラジリアン左サイドもしっくりとはいかず、ヒンケルに主導権を握られてしまい、アッドは精力的に動いてましたが決定機には至らず、それは中盤で上手さばかりが目立ったロシツキにも言えます。ソルド相手に完全にしてやられてしまったロシツキー。1人だけの責任では無いですけどね。つうかドルトムント、怪我人多過ぎでしょ!!!!メッツェルダーは!フリングスは!ベストメンバー同士での再戦が見たいものです。そんなドルトムントよりも良い所が多かったシュツットガルト。奪った得点は1点だけでしたが、その得点は輝くものでした。ヴラニェスのクロス、クーラニーのヘッド、完璧ですわ。潜在能力の高さがひしひしと出てますよクーラニーは。ヴラニェスはこの場面以外でも今日はガンガン絡んでましたよ。フレブのドリブル突破が一番キレキレだったし、際立ってましたがヴラニェスも効いてましたよ。効いてると言えばソルドが引き締めで一番効いてましたがね。ドルトムントは0-1と言う点差以上の力の差でした。戦術ミスったかな?

第17節 シュツットガルト×レバークーゼン序盤から積極的に打って出たのはアウェイのレバークーゼン。その積極策が実って前半だけで2点を先行します。ポンチってのが結構やります。左サイドに留まらず右にも中央にも顔を出してチャンスメイク。典型的なウィンガーって感じでしたが、マルチにも使えそう。このチームにはバシュトゥルクがいるんで、ドリブルでは若干見劣りしちゃいますがね。でも2点目のベルバトフのゴールを導いた右サイドの崩しなんて御見事でしたわ。そのベルバトフですが、しばらく見ない間にかなり成長してますな。昔は無かったオーラをちらっと感じました。その感触が確信に変わったのは3点目です。後半に入って1点を返したVfBの追い上げムードだった状況でのファインゴール!トラップから1発での振り向き。そしてイメージ通りのループシュート。良い選手になりましたな。これを魅せられると1点目のごっつぁんゴールも「天性の嗅覚」みたいな感じで過大評価しちゃいますわ。で、この試合がオモロかったのはベルバトフショウだったからでは無いんですな。やはり魅力はVfBなんですよ。ホームで常に先行されるという意外な展開。しかも前半での失点なんて初めてらしいですし。でもそんなショックにも挫けない粘りを評価したいですね。ラメロウのミドルシュートは確かに素晴らしかったです。流石キャプテン。しかしVfBの主将も負けてないですよ。芸術度では劣りますが、ゴール前でCKからのこぼれ球を粘りのワンプッシュ。これですよ!1点は1点ですからね。エース・クーラニーも後半入ってからカカウのミドルをブットが弾いた所を抜け目無くPUSH。いいじゃないですか!セントゥリオンも良かったね。独特のリズムで後半のゲームを作りました。前半あれだけ良かったフレブが消えちゃったのも彼の影響でしょうか?結局点の取り合いとなったこの試合は2-3でレバークーゼンが競り勝って冬休みへ。

第32節 バイエルン×ブレーメンマイスターシャーレを懸けた大一番です。ブレーメンは勝てば優勝が決まるんですが、逆転優勝を狙うバイエルンは勝利以外必要ではありません。ブレーメン正念場の試合ではありますが、最近バイエルンはブレーメンに勝てて無いっていうデータもありまして。さてどうなりますか、キックオフです。滅多に満員にならないオリンピアシュタディオンも流石にこの日は超満員。この観衆に応えるプレーを魅せたい所でしたが、カーンがやっちゃいました。19分、アイウトンのスルーパスに抜け出しかけたクラスニッチ。「しかしここはカーンが難なくセーブ」って場面でしたが、なんとカーンがこれをファンブル。クラスニッチが素早く押し込んでブレーメンが先制します。確かに試合開始当初から流れはブレーメンで、雰囲気悪かったんですが考えられないミスでした。カーン自身は直前にアイウトンの決定的なシュートを体で止めたりしてノッてるハズだったんですが。ホントに何でも無いゴロのボールでしたからね。この1点で完全に主導権を握ったブレーメンは更に追加点を決めます。エルンストのループスルーパスに飛び出したミクーがこれまたループでカーンを嘲笑って2-0。攻撃への姿勢が違うね。序盤からなんだか元気無いバイエルンイレブンに対してブレーメンは常に常に前へ前へですわ。観ていて明らかに覇気の違いを感じます。トドメはエースのアイウトン。エリア外から左足一閃のミドルシュートがネットを揺すります。前半だけで3-0と勝負及び優勝を決めます。勝たなきゃダメなのはバイエルンなのに、なんでこんなに元気無いんだ?プレッシャーはブレーメンの方が強いかと思いきや全く逆でしたね。後半からサンタクルスを投入して攻勢に出たバイエルンは、流石の圧力でマカーイが1点を返しますが反撃もそこまでブレーメンが今季のブンデスリーガを制しました。この日の試合内容が一番今季のブンデスを物語ってるんじゃないでしょかね?

第34節 レバークーゼン×シュツットガルトCL出場権を懸けた争いです。3位のVfBは引分けでもOKなんですが、レバークーゼンは勝たなければいけません。しかしホームというのはプラスなので、どっちも五分五分の条件と言って良いでしょう。試合もそのまま五分五分の展開で進みます。序盤から積極的だったのはフレブを中心としたVfB。逆にレバークーゼンはじっくり構えて後半勝負を懸けてきました。何度もヒルデブラントに防がれていたのですが、CKからラメロウ、フランサと繋がって最後はベルバトフがダイナミックに決めました。この日もベルバトフは自信溢れるプレーを披露していて、それがゴールという結果に繋がったと思います。バシュトゥルク、フランサとの連携も良いしね。この日もドリブルが光っていたバシュトルゥクでしたが途中交代。しかし代わったビアロフカがPK奪取という仕事を成し遂げます。このチームも層が厚くなったもんやで。PKは勿論職人ブットが蹴ります。ヒルデブラントの逆を突いたシュートは決まったかに見えましたがポストを叩きます。慌てるブットでしたが、リバウンドをシュナイダーが決めてくれて事無きを得ました。2失点共に絡んでしまったメイラの対応の悪さにはポルトガル代表落選も納得です。2-0としてCL圏内を確実としたレバークーゼンがそのまま逃げ切って最終節に花を添えました。この試合のMVPは個人的にはラメロウやね。カウズニーが不安定な守備を見せてたんですけれども、それのカバーリングに加えて攻撃でもアクセントになるし、リズム良くゲームは作れるし、教科書通りのボランチのプレーを披露してくれました。代表引退はまだ早い気がしますがね。ま、彼がレバークーゼンに専念してくれるのは来季のCLを考えた上でプラスですが。思えば旋風を巻き起こした01-02のCL。そこから転落した02-03シーズン。残留争いを経験した事によって今季更に逞しくなったんじゃないでしょかね。今季はリーグに専念できた訳ですし、元々は01-02を見ても解る通り実力者揃いですからね。この日はCL権を懸けた大一番だったんですが、昨季の残留を懸けた大一番に比べたら精神的に楽だったのかもね。逆にVfBは今季も良くやったと思うんですよ。セルタ、ラレアルの例を挙げるまでも無くCLとの併用による疲労は想像にかたくないですからね。その中で、この若いチームが昨季とほとんど変わらない成績、いや昨季以上の戦いっぷりを魅せてくれた事に関しては凄く評価できると思うんですよ。今季一番オモロかったチームと言っても良いVfBを来季CLで見れないのは残念で仕方ありません。最後にこの日の試合についてなんですが、緊張感溢れる凄く良い試合だったので大変満足です。優勝が決まった後の3位と4位の対決でスタンドも選手も、そして見てる我々もここまで熱くなれるってのはやはりヨーロッパのシステムの作り方に学ぶ点は多いですよね、Jリーグも。だってシュナイダーのゴールが決まった後にバイアレーナにチャンピオンズリーグのテーマ曲が流れたんですよ。あれにはチョット感激したよ。